子供

 同僚Nは、私とほぼ同じ年(学年は私がひとつ上になる)だが、既に結婚して子供が二人いる。社内恋愛のち結婚したので、嫁さんも私が良く知っている人である。
 彼は、子供が生まれてみると、大変に子供好きであることが判明した。良いことです。仕事の合間の世間話では、彼の子供が良く話題になる。長男が最初に生まれたとき、とにかく興奮して大喜びだった彼は、次に長女が生まれたとき、意外にクールだった。最初の子のときに、できれば男の子がいいなぁ、と言っていたが、念願がかなったせいか、次は母子ともに無事に生まれてくれるならどちらでも良いと言っていた。でも、私のイメージでは、パパは娘にメロメロになるというイメージがあったので、普通に喜んでいるが長子誕生のときに比べたらクールな彼が、ちょっと残念だった。別にどうでもいいんだけど、娘にメロメロなパパを冷やかしたかっただけなんだが。
 ところが、今日、奴は・じゃなかった・彼は言った。
「どうしよう。最近、妙に下の子が可愛いんだけど。」
待ってたよ。やはり、パパは娘にメロメロじゃなくっちゃね。どうも彼は、子供とコミュニケーションを取れるようになると、俄然子供に興味が出てくる人らしい。
 考えてみれば、赤ちゃんのうちはママにべったり、しかも昼間はパパは会社だし、あまり出番がない。長男は2歳で、どうやらパパは遊び相手と思っているらしいから、一緒に遊べるほうが愛着が出てくるらしい。実際、彼の話題は、長男がこうした、ああした、という話ばかりである。私が花梨の話ばっかりするのと、基本は同じと思う。
 が、長女も年内には1歳の誕生日を迎える。徐々に成長していっている。今朝、会社に出かけようとしていたパパに、娘が指をさしてニコニコ笑いながら
「あー、あー。」
と話し掛けたそうな。もー、パパは嬉しくって。それまでは、娘の方はどうだい?と話を向けても、寝てばっかりでなぁ、と答えていた。これから、娘のノロケが始まるのう、ふふふ。

 やはり、娘がいる後輩S君。普段は家が近いので自転車で通勤しているが、先日は雨がぱらついていたので、嫁が車で送ってきた。車には彼の娘がいて、会社に入っていくパパに向かって
「パパー、行っちゃ、やーだー。」
と叫んでいた。かーわいーい。
「どうする?帰っちゃう?」
と私が冷やかしたら、でへへへ、と笑っていた。でも、毎朝出かけるときはそう言うらしい。

 私は子供と直接遊んだりあやしたりするのはへたくそで、子供は苦手なほうだけど、こういう話はわりと好きかも。人の子供は面白いよ。(自分に子供いないけどさ)それに、誰かがふと子供の話をしはじめると、皆自分の子供はこうだった、とか、ああだった、と話しに花が咲く。うちの会社だけなのかなぁ。同じ部署の人たちの子供が、年齢的にかぶってるから、余計に話が盛り上がるのかも。既に子供が仕上がってる次長は、孫を話題に参戦。ちなみに、次長の孫は二人とも美形です。
「パパとママ、どっちに似てる?」と聞けば、
「ママに似てるね。」と次長。
ママとは、次長の娘であり、これは、娘も美人だぜ、という自慢でもあるのです。次長は奥様も美人なの。一度会ったことあります。暢気な次長が、二日続けて給料を受け取り忘れていて、自宅まで届けに行ったときに、お会いしました。

 ・・・自分の日記に、人んちの子供の話をとりあげてどうするんだ、私。でもまぁいいか。