空き巣

 近所に空き巣が入った。そこは、一見普通のおうちだが、実は会社である。うちの会社の取引先でもあります。ここは私の家からも近いところなんだけど、立地条件が、非常に空き巣に狙われやすいのだ。取引先のIさんは、別のところに住んでいて、この場所は母上の実家だったところ。母上のご両親が亡くなったあと、母上に譲られた。どうやらご両親を看取ったのが母上だったので、そのような成り行きになったらしい。んで、建物は物置代わりにして、それほどマメに通ったりしてなかった。ある時、久しぶりに行ってみたらどうも家の中が荒らされているらしい、と気付き、警察に届け出た。空き巣が入ったものの、目論見が外れて盗むものは無かった。しかし、時々来たときのために電気やらガスやら水道やらが止めてなかったので、空き巣はここを根城にしばらく生活したような痕跡が残っていたそうな。コンビニで買ったパンの空き袋などが放置されていた。
 元々空き家だから、盗むものはあまり無かっただろうけど。でも気分がいい話ではない。月日は過ぎて、Iさんはいよいよ独立して自分の会社を持つことになった。色々とお金がかかるので、余計な出費は抑えたい、と空き家だったこの家を事務所にすることに。一度、中に上がらせてもらったが、どう見ても会社に見えない家であった。
 今回も盗まれたものはあまり無いようだ、という話だったが。それにしてもなぁ。