肩で風をきる

 今日は会社が休みなので母の病院に送ったついでに付き添い。そのまま買出しツアーに行くためでもあります。今日は、担当のK先生は何時に現れるでしょうか、と母と言っていたら、ちゃんと9時4分には現れました。
 この先生はこの曜日のこの時間、と当番が決まっているのですが、母のように番外編で診察してもらう場合、空いてる診察室をやりくりするのでしょう。待合のイスに座って、壁に掛けてある薄型テレビを観ながらポケーっとしていたら、颯爽と先生が登場しました。ひょろーっと背の高い先生が、いつも忙しいからか、さっさかさーとやってくるのを見て、いつも風が起こったような錯覚を覚えます。診察そのものは立ちあったことがないのですが、母が言うにはすごい短気というかセッカチな性格だそうです。母の手術跡を見て、水を抜いて、消毒して絆創膏を貼るだけのようなんですが…。看護士さんがとろいんじゃないの?私のように。
 でも、いつも登場と退場がカマイタチのようです。うかつに近くに寄ったら、風で頬を切られそうです。退院の日、母の最後の診察を部屋の外で待っていたら、出てきた先生が
「お大事に。」
と言うので、
「はい、お世話になりました。」
って頭を下げてあげたら、もうどこにも先生はいないという…。多分、秒単位でスケジュールをこなしているに違いない。
 それにしても、医者ってのは体力がないと出来ない商売ですね!母を担当してくれている先生は、母の入院前に、立て続けに2つばかり学会に出席していたし、母の手術日は、手術した後なのに、そのまま当直だって言ってました。母の付き添いの1泊だけでヒーヒー言ってる私には、絶対に出来ない。その前に、医学部に合格するだけの能力もありませんがね。