爪

　犬って、爪切られるのが苦手です。
　苦手でも、じっと我慢するケナゲな子もいれば、ものすごい形相で牙むき出して噛み付く奴もいる。うちの花梨は、ケナゲな子じゃなくて噛み付く奴の方です。
　あまりに爪が伸びたので、切らせろーと爪きり片手に迫ったら、ガブガブ噛まれました。でも、１日１本ずつ、カットしてます。なぜ１日１本かと申しますと、１本カットしたあとは、飛んだり跳ねたりと大変な騒ぎになり、次の爪をカットなど不可能だからです。
　噛みながらも、一応手加減して甘噛みです。噛んだあとに、あ・噛んじゃった、ってペロペロ舐めて、また噛んで、一体花梨は何をしたいのか分からなくなっています。ここ数日、私に余り寄り付きません。絶賛警戒中。
　この爪きりに激しい抵抗を示すのは、花梨だけかと思ったら、やっぱりすごく抵抗する犬は存在するようです。花梨がお世話になっている獣医さんは、同じ建屋にペット美容室もある（予約制のせいか、人がいないときも多々あります）ので、検査待ちをしているときに、爪きりについて聞いてみたら、
「あんまり抵抗する子は、先生（獣医さん）に頼んで、軽い麻酔みたいな薬を打ってもらうんです。そうすると大人しくなるの。終わったら、覚醒させる薬があるので、それをまた打ってもらうんです。」
って言ってました。花梨を薬漬けみたいにするのも気が進まないので、それは却下。これからも、せいぜい嫌われながら、噛まれながら地道に爪をカットすることにします。