花梨

 あるブログを読んでいたら、飼い犬が難病にかかってしまったという記述があり、ついつい貰い泣きしてしまいました。いや、そんな、ウエーンとか泣いてるわけじゃないですけど、ホロリとね。ふと、気配がするので下を見たら、花梨がいて、
「あらっ、花梨ったら、やっぱり長年一緒なだけあって、こんな気持になったのを察して慰めに来てくれたね!」
と、実に都合のいい解釈をして、ヨシヨシなんつって撫で回していたら、花梨が実に上手に誘導した先が掃き出し窓のところで、要するに
「トイレ行きたいから、開けてちょ。」
という意味でした。お前なんて、やっぱり長年一緒にいても単なる女王さまだよっ。バカバカっ。こっちはさー、飼い主さんが獣医さんから
「残念ながら治療法がなく、短命な場合が多いです。」
というお知らせを聞いたという記述を読んで、思わず去年、花梨が病気の内容こそ違えども、原因が分からないまま危険な状態になって、こっちが生きた心地しなかったことを思い出して、あのときは寿命が縮むってこういうことか!ってくらいに心配して仕事も手に付かないアンポンタンになっていた(それはいつもと同じか)とか回想しちゃってたのに。正直言って、入院費だって相当かかって、でも
「花梨が助かるなら、全然安いからっ。」
って啖呵切って財布から一枚ずつ万札取り出していたというのに。啖呵切ってるわりに、いじましいことしてるな。
 まぁ、この日記読んでる方ならご存知のとおり、実に変わった出来事の少ない、実に地味な生活をしているので、この先10年は、あの夏の大事件と言ったら、花梨の入院ということになり、毎年毎年しつっこく思い出します。そして、しつっこく書いてやる。そして、しつっこく反省してやる。だって、花梨のあの件に関しては、飼い主の責任も大きいもんね・・・。