たじんこが幸福な日

 19日、思いがけず(でもないか)残業をしてしまったので、毛糸を買いに行けませんでした。腹は痛いし、兄貴を駅まで迎えに行かなくちゃならないし。
 で、今日から屋根の修理が始まる。修理というより、張替えと言うべきだろうか。10時ごろに行きますという話だったので、すっかり油断して寝坊していたら、朝8時に工務店がやってきた。早い。早すぎる。で、バタバタしつつ、時間がきたので茶道のお稽古に出かける。帰りに、お昼ご飯を調達するように指令が出された。じゃあ、その前に毛糸も物色しよーっと。
 去年、やはりえびす講のセールに出かけたときは、こんなに混んでなかったぞ、というほどの車の混みよう。出かけた時間が違うからか。しかも歩行者が、まだ歩行者天国になってないというのに、車道をふらふらしている。短気な私は、脳の血管が切れる音を聞きました。ここで懺悔します。とても皆様には教えられないような暴言を、車の中で叫んでました。しかも、駐車場はどこも満杯!皆、考えることは同じで、有料のところはイヤなんだよね。で、長崎屋とかパシオスといった無料のところへ駐車しちゃうんだよね。パシオスというのは、元はスーパーだけど、かなり以前から開店休業も同然なお店になってます。営業を縮小して、地下の食料品売り場を閉鎖してから、余計に客がいなくなった。手芸用の布地などは、比較的充実しているために数回来た事があるが、駐車場なんていつもスカスカだった。それが、えびす講には地の利が良い場所のため、「えびす講での駐車はご遠慮ください。」という看板があるにも係わらず、皆駐車していて、車があふれている・・・。多少は買い物もするんだろうけど、買い物してあげたくても、買うものがない品揃えが今のパシオスだからなぁ。営業努力が足りないよ。
 さて、やっとのことで、「無料駐車場」に車を突っ込んだ私。でも、手芸店「カネコヤ」まで、ちょいと歩かないと。さっきのイライラで、精神的にかなり疲れているが、毛糸のためだ。えんやこら。カネコヤも、それなりに客が入っている。昼間に来ることが滅多にないけど、でもいつもよりは客が多いよね。カゴを片手に、店内に突入!このあいだ、ミラノツイードは買っちゃったからなぁ。今日まで待てば2割引きだったのに、待てなかったのね・・・。
 まずは、アルパカリミストの702番を13玉。つまり、棚にあるだけ全部。大人な買い方?リミストはさまざまな色がグラデーションとなって絡み合うので、一口に色を表現するのは難しいんだけど、柔らかくて気持ち良くて、すっごく好きになった糸。少し細めで6号の針が標準だけど(人によっては、6号が普通だったりするんだろう)、頑張って編むぞ。課題ニットは地模様だったけど、次は是非シンプルなメリヤス編みで、自然に生まれる模様を楽しみたい。でも、「世界の編み物」では、ドミノ編み(だったかな)の作品が出ていて、それも素敵だったんだよね・・・。なんてことを考えていたら、かなりエンジンがかかってきました!
 お次は、ボランティアニットで曰くつきの、ブリティッシュエロイカです。あのペパーミントに合う色と組み合わせて、袖をシマシマにする作戦です。足らない分を他の色で。掲示板で教えてもらったのだ。ここで、糸見本帳で目をつけていたグリーン系の杢調糸が無いという事実が・・・。ありゃー。深緑ならあるけど、ちょっと違うかなぁ。どうしよう。お店においてある糸は、種類が少ないな。ちょっと考えて、最初は無難に白と合わせようかと手に取ってみる。でも真っ白な糸と合わせると、かわいいけど寒々しい?で、真っ白じゃなくて、ちょっとベージュが入っているような色を買う事にする。でも、出来上がっちゃったら白だろうと生成りだろうと変わらないような気もするけど。いいもん。どうせ期限に間に合わないんだから、来年までのんびり考えながら編むもんね。一度編んで変だと思ったら、また解くもん。すっかり開き直って次の棚へ。
 さーて、あらかじめ予定していた糸はカゴに入ったから、次は試し編み用に色々買いたいぞ。定番糸のアニーブラットやパーセントの棚を眺める。微妙な色合いが美しいのでウットリです。色がたくさんあると、かえって決められない!よし、この定番糸たちは、在庫の消化にある程度メドがついて、編み込みにチャレンジするときに再度検討してやろう。
 で、棚を順番に物色していきます。別に買うわけではなくても、どんな糸が、どこの棚にあるのかを知っとくためです。大体はメーカー別だけど、必ずしもそうではないという不思議な商品の分類がされているので。ついでに、展示してある見本を触ったりして遊ぶ。ロベルタカルパッチョ、糸はお店に無さそうだけど、ニットの見本は置いてある。うーん、良いさわり心地。よしよし、いつかこの糸も編むぞ。問題は、こういう「いつか」は、いつやってくるのだろう、ということなんだが。
 私は確かにパピーさんちの糸が大好き。でも、他のメーカーの糸だって買うことあるし、嫌いなわけじゃない。なんというか、I LOVE 毛糸!ビバ、毛糸!!こうやって毛糸の棚から棚へフラフラしていると、住み着きたくなる。でも、やはり「好みだわ、この糸」って思うのは、パピー印の糸が多い・・・。なんというか、「いけないわ、こんなの。」って思ってるのに、体で惹かれてしまう感じって、こういう感じなんだろうか・・・。禁断の世界?
 いかん、さっき運転中にイライラして頭の血管がブチブチ切れたせいか、思考回路も変だ。早く買い物を終えて食料の調達をしないと、母と兄貴が腹をすかせて待っているはず。で、最後にモーリスという糸(もちろんパピー印)をチェック。これのピンク系で、斜め縄編みのセーターを編んだっけ。そういえば、去年は比較的ピンク系に惹かれたわ。ホルモンのせいかしら。今年はピンク系は無い。で、ふと思い出した。母がもの欲しそうに誕生日プレゼントを編んでくれてもいいのよ、と言っていたことを。じゃあ、帽子でも編んであげようかしら。こんなのいらないって言われたら、自分で使おうっと。で、茶系と紫系を2玉ずつカゴに入れる。どちらもいい色で、決めかねたのです。
 もう、カゴはいっぱい。家にある在庫が頭をよぎります。予算も頭をよぎります。マグネットルーペもこの機会に購入することにして、レジに行ったら13000円以上払いました。良かったわ、お財布の中身が足りて。うふふふふ。
 店を出た途端、疲れがどっと出た気がします。駐車場へ戻りながら、ひらすら次の予定を頭に思い浮かべていました。今の在庫だけで3年以上は編める気がする。でも、来年になったら絶対新しい糸が欲しくなると思う。しかも次々に本を買って、そのたびに編みたいものは増えていく。手が追いつかない。でも、編むなら早く編まないと、廃盤になったら糸が足らなくても買い足せないし。とくに今年はそれで痛い目にあったし。歩きながら我慢できなくて、毛糸を袋から取り出してニギニギしてしまった。すれ違う人が、ちらっと視線を送ってきた。やっぱり道端で毛糸をニギニギしてるのは、変な人だよね。でも、すっごく幸せになるから、君もやってごらん、ニギニギ。
 力いっぱいニギニギしてると、毛糸がもつれて編むとき大変になると聞きました。毛糸だまを、そーっと、そーっと持って、ニギニギというよりは「フワフワ」とほんの少し力をいれるのがコツです。・・・って、他の人はそんなことをしないか。

 以上、かなり長くなりましたが、「たじんこの幸福な毛糸購入の旅」レポートを終わります。