仕事の風景

 今日は、まともに仕事をしましたよ。決算棚卸だからね。気合を入れて、入力しまくり。
 よく遊びにきている(いや、仕事もしているが)取引先H社のIさんが、Tさんにクギを刺されていた。
「たじんこさんは、今週は忙しいから、邪魔をしないようにね。」
Iさんは、基本的に仕事で来ているんだが、N次長がなかなか見積もりをくれないとかで待ち時間があると、たじんこを話し相手に遊んでいるのだ。が、至急部品の手配が必要なときなど、年中いるからすぐに注文できて、便利な存在でもある。よその会社の人なのに
「Iさん、肩揉んでくれーい。」
「Iさん、お茶淹れて。」
と、たじんこにこき使われていることもある。
 どうやら、今日はIさんはヒマだったようだ。クギを刺されたにも係わらず、チョロチョロと私の周辺で遊んでいた。今日の夕方にならないと、物件がまとまらないとかで。あんまり冷たくあしらうのも可哀想なので、秘蔵のチョコを分けてあげたりした。
 あー、K氏も相変わらず元気でしたよ。
「おりゃー、納期遅れしとるじゃねーかー。さっさとブツを持ってきやがれぇ。」
と脅迫電話をかけたので、ちゃんと納品に来ました。はい。
 こんなときに限って、N社のYさんも久方ぶりの電話。この人もちょっと変。ハウルを見て感動したらしいが、
「僕は少年の心を持った男ですから。」
とか言うし。おい、なんでそんな話になるんだ?少年の心って言われても。少年だったことは無いから、わからないな、私にはっ。
 …もしかして、類は友を呼んでいるんだろうか。単に、10年も同じ会社にいるから、こうやって気を使われない人になっていくのだろうか。最近とみに、存在が気さくなおばちゃんになっている気がするよ。いかんな、皆が恐れ多くて口も利けないほどの女にならねば。しかし、どうやって?