おかたづけ

 給料が出たら、ロフトベッド下の収納をもうちょっとナントカしたいわぁ、と先月あたりから計画しておりました。計画って言ってますが、思いつきです、ええ。私は師走だから大掃除なんて殊勝な考えはなく、よって行動も伴わず。そして収納というか片付けというかインテリアというか、そういう方面の才能もまったく無い。
 整理整頓の第一歩は、要・不要の基準を決めて選別し、不用品を処分することです。が、既にその一歩が踏み出せない。明らかに不要と判断できるものは良いんですが、グレーゾーンってあるじゃないですか。すぐには使わないけど・まだ使えるし・思い入れがあるし、というような品物。そこで悩んで取捨選択しているうちに、一日なんてすぐ終わります。そして、夕暮れになってもごちゃごちゃな部屋を前に途方にくれちゃったりするわけです。
 なので、整理整頓とか掃除とか、なるべく考えないようにしてきたわけですが、増える一方の手芸関係の本・道具・材料たち。いい加減に積み上げてあるので、いざ使おうと思うと一苦労して奥のほうから引っ張り出さねばならないし、ついでにホコリが舞い上がって掃除機が緊急出動するはめになったり、それが夜10時過ぎだったりすると掃除機が出動できないので、続きは明日にしようってことになったりして。手芸ってのは、勢いが大事なので(私の場合)、なんかそういうことで中断すると、ちょっとやる気がそがれたりして。
 単に積みっぱなしはいけない。なんかいい方法ないかな、と考えていたら、NHKで収納のコツなんてのを放送してまして。なんとなくヒントを得た気分でセキチューをブラブラしていたら、キャスター付きの収納家具を発見。お値段も3000円前後とお手ごろ。よし、キャスターをゴロゴロ言わせたる、転がしたるでぇ、と怪しい関西弁で呟く私。が、懐がさびしいので給料日まで待つことに。だって、買うときは3点か4点まとめて買うつもりだし、そうすると1万円以上の出費だし、サイフの中には3000円くらいだし。
 そして、給料日が来た。その間にも、なんか増えてるし。最近は地震が多いし。自宅内でなだれを起こさないようにするためにも、レッツ・お片付け。
 母がペットコーナーで子犬に見とれたり、犬のおやつを品定めしている間、私は家具コーナーで台車を転がし買う気満々で鼻息荒く品定め。が、先だって目をつけておいた商品が売り切れているではないか!オー・ノー!オー・マイ・ゴッド!ジーザス!ジーザス・クライスト・スーパースターって、映画のタイトルだっけ?とにかく、せっかく人が給料袋を握り締めてお買い物に来たってのに、売り切れって。どうするの、どうすりゃいいのさ。ふと周りには、親子連れや夫婦連れが多いような。そうか、春だから、新生活のためにいつもよりカラーボックスとか収納ケースとか、売れてるのかも。衣類の入れ替えしてるのかも。とりあえず、売り切れてない分だけ買って、出直すしかないのかしら?それとも、別の方法を考えるか?普段使ってない脳みそを働かせつつ、商品を選定して台車に乗せて、レジまでトロトロと歩き出したら、他のメーカーの似ているサイズの家具を発見。おお、あるでないの、神様は私を見捨ててなかったぞ、ジーザス!またもや元のコーナーに戻って、台車に乗せた商品を戻して、またさっきのコーナーに行って、商品を乗せて、と中腰でせっせと動いていたら、うっすら汗がにじんできました。お会計を済ませて、車に乗せていたら、一つ乗せて振り返ると台車が無い!あれ?と見回すと、コロコロと転がって行く台車が。思わず、
「ど、どこへ行くつもりだよ!こっちだよ!」
と台車に怒る私と、タバコを吸いつつボーっと眺めているおっさん。おっさん、台車が転がってるなら教えろよ。つか、止めろよ。他の車に突っ込むところだったじゃねぇか。今度は勝手に転がっていかないよう足で押えつつ、残りの商品を積み込みました。
 忘れずに母と合流して(忘れて帰ったらアトが怖い)、家に帰って、お昼ご飯を食べて、ちょっと疲れたけど頑張って家具の組み付け開始!世の中には、自分で家具を組み立てられないという人もいるようですが(例:私の母)、私はわりと好きです。つか、我が家は自分で作らないと誰も作ってくれないし、手伝ってもくれないし。そもそも、母と私しかいないし。つまり母は手伝ってくれないって意味ですが。でも兄貴も手伝ってくれなかったよ、人には手伝わせるくせに。チッ。二人で組み立てるって書いてあっても、一人で組み付けます。押えて欲しいときには、壁に押えてもらったりしてます。んで、壁に向かって
「ちゃんと押えろよー、もー。」
と文句言ったりもしてます。壁は言い返してこないので、余計なケンカが避けられます。が、今回の家具は押入れ収納に使うくらいなので、一人でラクラクです・・・のつもりが、何個も組み立てて、品物を入れ替えたりしてたら、かなり疲れました。しかも、おぼろげな計画しか立ててなかったので、
「これはここだと思ったけど、やっぱりこっちかな。」
「これは使わないつもりだったけど、やっぱり使おう。」
なんてゴチャゴチャやってたら、いつまでも片付かない部屋。
 おまけに、ベッド下にあった花梨の寝床をどかしたら、母がブツブツ文句を言うし。そもそも、ここは花梨の寝床じゃなかったと主張したが、却下。美しく並べた棚類を、並べ替えられて犬の寝床は確保されました。が、それまでウロウロ落ち着かない花梨が、寝床を戻した途端にイソイソと戻ってきて丸くなって寝ていたので、やはり落ち着くらしい。負けた。良く分からないけど、負けたような気がする。
 でも、あちこちに散らばっていた本がまとめて置けるようになったし、奥のほうから引っ張り出していた裁縫道具も取り出しやすくなったし、まぁヨシとしませう。
 片付けが終わって掃除気かけて、気付けばもう夕暮れ。花梨の尻を撫でつつ、ちょっと休息したのでありました。