氷点、読了

 氷点が読み終わりました。なんつーか、昼のメロドラマみたいなこってり感で面白かった。最後に自殺を図った陽子が、果たして助かるのかどうか、みたいな劇的な終わり方で、後は読者の想像にお任せしますってことなんでしょうけども、それも表現を間違えるとちょっと中途半端すぎて腹が立つけれど、「氷点」はそんな風に感じませんでした。
 内容はものすごいのに、文章が割りと平坦で読みやすいのも良かった。当方、難解な文章は苦手です。
 作者の三浦さんは、この「氷点」で一千万(今なら一億円くらいの価値があるのかなぁ?)という大金を手に入れたそうです。朝日新聞だかの懸賞金だったのですね。が、それをほとんど寄付したというし、受賞の知らせを受けたときに神に祈りをささげたというのですから、もう人間としての出来が違うちゅーかね。誰と違うって、私とですけどね。
 万一私が小説書いて懸賞金を手に入れたら、たぶん豪遊ですよ。心行くまで手芸店をめぐりますよ。間違っても、寄付なんてしないと思う。でも、そういう性根の人間は、三浦さんのような小説なんて書けない。