お免状

 2年くらい、ズルズルと延ばしてきていたが、そろそろ茶道も次の段階のお免状を申請することになりそうです。
 茶道を習う前は、免状っていうのは、全部教わったら免許皆伝で免状貰って終了!ってなもんかと思ってましたが、そういうんじゃない。流派によって違うとは思いますが、そろばんの1級・2級、みたいな感じで、徐々にレベルアップしていくのです。「茶名」が大きな区切りの免状なんですが、その手前までを申請・取得しようと思ってます。先生にはかなり前から、『そろそろどう?』って言われていたんだけど、なんやかやで延期してました。昔は「茶名」まで取ろうと思ってたんだけど、この日記にも色々書いたように、人とのお付き合いがどんどん重荷になっていって、あくまで趣味の範囲内で茶道を続けたい私にとっては、「茶名」は取らない方がいいかもしれない、と考えるようになりました。先生も、茶名を取った後は、会費やらなにやら、色々と今よりお金がかかるようになるので、弟子には無理には薦めないとおっしゃっているし、私も将来、お茶の先生になろうとかは考えてないから、必要なかろう、と。
 茶名ってのは、戸籍上の名前とは違って、茶の湯の世界で通用する名前がもらえるってことなんすよ。他の流派はどうなのかな、同じなのかな、裏千家では、『宗』というのが名前にくっつくんですね。私の名前は『祐子』なので、茶名を取るとしたら『宗祐』とか、そんなのになるんじゃないかな。取らないけど。
 私は根性なしだけど、どんなことでも、自分で続けようと思ったことをひとつくらいは続けたい、と思っているから、他人に
「茶道ってのはお金持ちがやるもんだ。」
「お嬢様の嫁入り修行なんじゃないの。」
というような、偏見に負けずに今までやってきたわけです。けど、確かにお金は多少かかります。毎月の月謝は1万円、台子のお稽古は月謝とは別に3千円、ある程度続けてきたら、やはり着物は必要になってくるわけでそれらが一式でン万円(上を見たらキリがない世界だからね、着物ってのは)、茶会に出るには茶券を買うのに、500円から1万円(食事の有無などで変わってくる)。幸い実家住まいなので、母の協力を得ることも出来て、最低限の出費は自分の給料から出すことが出来ているけれど、いつかは続かなくなるかもしれない。
 面倒なことも色々あって、もう茶道なんてやめてしまおうか、と何回も考えたけれど、一旦やめてしまったら、今までのことが全部とは言わないまでも、かなりムダになってしまうような気がして、それは自分にとってすごく悔しいことなので、もう少し頑張ろうとは思っている。お稽古だけはね。
 それに、今辞めると、近所の気に食わないおばはんに、
「ほらねー、だから茶道ってのは、お金持ちのお嬢さんが習うことだって言ったでしょー。」
って得意げに言われそうだからな。いや、本当に言われたんですってば。確かに私は高給取りでもないし、我が家もビンボーだが、ビンボー人は趣味も持てねぇってのかよ、ふざけんな!って思って、ビンボー人でも、頑張って茶道は習えますということを証明するためにも、続けているわけですよ。
 実家住まいだから出来るのであって、もしアパート代から光熱費から食費から、全部自分の給料だけで賄う生活だったら、最初から茶の湯を習う余裕なんて無かったけどさ。