肩こり

 会社では基本的にデスクワーク、しかもPCに向かっていることがほとんど。運動はキライ。趣味はインドア系。しかも手芸。おまけに太っている。これだけの条件が揃って肩こりにならなかったら、変ですよねぇ。そうです、私は筋金入りの肩こりヤロウです。
 ここ数日は特に、編物モードに加速がかかり、なおかつ運動をさぼり、気がついたら頭がガンガンするほどに肩こりがひどくなってました。あー、もう限界かな。1年ぶりくらいで、アピタというスーパーの中にテナントとして入っている、「らくらくスタジオ」というところへ行ってきました。ここは、マッサージおよび整体をしてくれるところです。一時期はマメに通ってたんですが、予約を入れるのが面倒だなーとか思って足が遠のいてました。
 実は、昨日飛び込みしようと思ったら、予約が一杯ってことだったのです。あんまり遅い時間じゃイヤだなってことで、翌日(つまり今日)の予約を入れて改めて出動いたしました。40分のマッサージ・プラス・眼精疲労コースです。整体コースは、整体士の先生が来ないからNGでした。前は年配の整体士が常駐していたんですけどねぇ。長崎屋にもテナントが入ったし、人手不足かしら。受付には若い青年(って言い方はどうなんだろう)、中にはオバサマが施術中、この二人は私が通っていたときには居なかったなぁ。
 予約した5時半に少し遅れて到着。カードを受付の青年に渡して、入り口付近のソファで待つことしばし。オバサマがガシガシとマッサージしているのが見えました。そう、ここは、ベッドの間に仕切りが無いのです。最初はちょっと抵抗があったけど、マッサージはうつぶせで受けるので、どうせお互いに見えません。おしゃべりも無いし。だから、隣に人がいても気にならないです、私の場合は。あんまりオバサマの手元を眺めていても悪いかなぁ…と、備え付けの雑誌をめくっていたら、受付の青年が
「40分プラス眼精疲労のコースで、よろしいんですよね。」
と確認してきたので、はいっ、と返事をしたら、
「じゃあ、どうぞ。」
だって。受付だけじゃなくて、施術もするのかい、君は。
 カゴに荷物を入れさせてもらって(これは施術中は、ベッドの下に置かれている)、うつぶせに寝るように指示される。顔のところはちゃんと呼吸ができるような仕組みになってるんですけどね。ホッペタがムギューっとね…。
「特別に痛いとか、気になるところはありますか。」
と聞かれ、思わず全部じゃ、と言いそうに。背中がパンパンっす。が、それじゃあんまりなので、
「えーと、別に、大丈夫です。」
と答える。大丈夫じゃないから、マッサージに来てるんだけどね、何言ってるのかね、自分。
 さて、マッサージは腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、と言う順番。腰を上からグイーと押されたとき、イヤな予感がしました。私、自分が思っている以上にすごい凝ってるのでは?押された感じがさぁ、ちょっとさぁ、すごい反動があるっていうかさぁ…。足の方は滞りなく終わり、また腰から、今度は上に向かってのマッサージです。これがまた、痛い。痛いときは、言ってくださいねって言われたけれど、押されるたびに、
『いてててててっ、イテェ!痛いって言うか、言うか?あ、でもそこは気持ち良い…。ぐわーっ、やっぱりイテテテテ!ぐへぇ!ロープロープロープ!…ふわー、気持ち良い…。』
と、自分の頭の中がめまぐるしいのでありました。が、どうも青年も、私の背中の固さに、だんだん力が入ってしまうようです。肩甲骨のあたりに至っては、我ながらものすごいコリを感じました。今押しているのは、骨じゃないよね、肉だよね。何なの、その固い感触。
 今まで、私の肩を触って驚かなかった人はいなかった。兄貴しかり、友人しかり。人間の肩じゃないって言われたり、鉄板が入っているって言われたり、ただ笑われたり。あー、嫌な記憶が甦ってくるわぁ。でも、マッサージの青年、君は毎日色々な人の肩を揉んでいるはずだ!私の肩なんて、確かに凝ってるけど、驚くほどのものじゃないわよねー?
 ところで、眼精疲労コースというのは、マッサージが終わった後に仰向けになって、まずはひんやりしたシートが目の上に置かれて、コンタクトしてますか?レンズはハードですか、ソフトですか?と聞かれ、なぜかホッペタとかアゴとかのツボからグイグイ押されていくものでした。もちろん、眉のあたりのツボとか、頭のツボもグイグイグイっと。これは気持ちいいんですが、頭はボサボサになります。あらま。で、右の頬骨のところが、押されたときに妙に痛かった…。左側の頬骨のツボは大丈夫だったのに。ど、どこが悪いんだろう、頭か?顔か?あんまり静かなので気づかなかったが、隣のベッドには次の人がうつぶせになってマッサージ受けてました。あら、いつの間に。
 エステって受けたこと無いけど、やってみたいなぁ、なんてウットリしていたら、終了。なんか半分寝ぼけてました。施術中は、大き目のバスタオルを2枚、上半身と下半身にかけてくれるので、すっかりお昼ね気分です。ぽわわわわん。が、終了したらお金払って帰らなくちゃ。
 あれだけ揉んでもらったのに、まだ凝ってる気がするなぁ、と思っていたら、青年がトドメの一言。
「あの…、背中とか、ものすごく固いですね…。」
「えっ、そんなに固かったですか。」
「はい。」
すみません。プロがそんな顔を引きつらせるほどだったとは。でも、確かに青年に押してもらうそばから、肩のあたりはパキポキ鳴ってたもんねぇ。
 しばらくは、肩こり軽減キャンペーンにいそしむことにします。撲滅、は無理だろうからなぁ。軽減で。