本当に痛いのか

 花梨は、ケガの部分の包帯を取り替えようとすると、すごーく痛い!という風に暴れて、大変なんです。なのに、痛いところを触る人は嫌いよ!と言わんばかりに、私を嫌うのです。なんだよー、お前のためにやっているのにー。(口をとがらせながら言ってください)
 しかし、痛そうにビッコをひいているわりに、本当に痛いのだろうか、と思わせることも。
 包帯を巻いているほうの足で、耳を掻いたりしてます。い、痛いんだよね?
 今日は、残業をちょいとして帰宅したら、なぜか玄関マットの上で寝そべっている花梨。
「お、何でこんなところで寝ているのだ。…そうだ、トイレも済ませないといけないなぁ。ちょっと庭に出ようか、花梨。」
と、チラっと意味ありげな視線を寄越す花梨。私の顔と、散歩用のリードを交互に見つめている…。
「でも、足が痛いんでしょ?散歩は無理だよね。」
しかし、散歩と聞いた途端、ちゃんとオスワリしてスタンバイ状態になる花梨。つられてリードを手に取る私。
 ええ、結局、とっぷり日が暮れて寒い中を、近所一周してきました。トイレも済ませました。というか、本気で散歩モードだったらしく、
「花梨、寒いし、足をケガしてるし、トイレは済んだんだから、もう引き返そうよ、ほれ、帰りましょ。」
引き返そうとする私を、踏ん張って拒否する花梨。ほれ、ほれ、ほれ、とだましながら自宅へ誘導しました。ビッコひいているのに、なんかすごい勢いでサカサカと歩いているんですが…。本当に、ケガしてるんだよねー?
 歩いたことだし、夕飯食べる前に包帯を交換しときましょう、って段になったら、やっぱり痛いのをアピール。うーん、傷用の軟膏を塗ったガーゼを当てて包帯を巻いているんですが、やっぱり痛そうなんだけどなぁ。
 ビッコをひきながらもすごく早く歩く花梨を後ろから見てると、可哀想なんだけど、笑えます。
 でも、安心しました。花梨の散歩は健康のバロメーターで、散歩に行きたがるときはまだ大丈夫だと思えるし、たまに散歩を喜ばないときは、すごく調子が悪いんじゃないかと思って緊張するので。