怠慢だな

 『スーパーの女』って映画、昔ありましたね。あの映画の中で、良いスーパーと悪いスーパーについて、主人公が幼馴染(実は売れてないスーパーの店長)に、ここが良いとか悪いとか言いたい放題の場面がありました。全部は覚えてないけど、でもあれをきちんと守ったら、かなり良い感じのスーパーになれると思うのです。
 スーパーに限らず、小売業について言えることだと思うのですが、商品の並べ方ひとつ取っても、割と重要だと思っています。たまたま商品が欠品していても、次に行ったときは補充されているべし。あるいは、商品がキレイに並んでいるべし。化粧品のテスターだって、いつ見てもキレーイになっていたら気持ちが良いけど、いつ行ってもグチャーっとして補充もされてなかったら、ここの店員はちっともやる気ないなぁ、と思うし、購買意欲無くなるってもんです。
 学校で、予鈴が鳴ったら席について待つように、会社で始業チャイムが鳴る前には席について仕事を始めるように、小売業は開店前に品出しを終わらせとけ、と。お客がいる前で、ノタノタと出してるんじゃない!大して広くない通路の半分を塞いで、邪魔なんじゃ。本屋は、今日発売の本はちゃんと平積み終わらせときなさい。
 こういうポイントってのは、人によって違うのかな。気にならない人は平気なのかも。しかし、昔アルバイトしていたとき、ばら売りのお菓子類がいつでも満杯になってないとイヤでした。で、在庫が終わって、生産が間に合わないなんて言われると、密かに腹を立てていました。毎年冬は葛湯が売れるのに!一番売れる白(スタンダードな甘いだけの葛湯。袋が白だったので。他にも、小豆とか抹茶・梅がございます)だけでも、大目に作っておけぇぇぇ!って思っていたのでした。お客さんが、せっかく買いに来てくれて、
「すみません、今売れちゃって、在庫が無いんです。」
と言うほど悔しいことは無い。
 今から思うと、不思議に、進物用に菓子折りを大量注文してくれるお客より、ふらりと自分や子供や孫の分のささやかなお菓子を、ひとつひとつ嬉しそうに選んでいくお客の方が、なんだか好きだったな。そういうお客は、ヒマなときを狙ってくる傾向があるので、こっちもノンビリした気分で、世間ばかししながら袋詰めしたり、店長さんがいいよって言ってくれたから、ちょっと形のくずれたやつをオマケに入れちゃったり。