ナンなの

 昨日は雨がザーザーと降って、花梨の散歩に行けませんでした。雨の日は散歩が休みと分かっていても、生きがいともいえる散歩がキャンセルになって、恨みがましい視線を私に向ける花梨。わ、私が雨を降らせているわけじゃないのよっ。それに、確かに雨はイヤかもしれないけど、雨が全く降らないのも困るんだからね。お米が育たないとかさ、野菜や果物が育たないとかさ、ダムの水が不足するとかさ。空気が乾燥しまくると、オイリードライな肌に拍車がかかって化粧くずれも酷くなるしね。なーんて言って聞かせても、花梨は理解してくれない。マドを開けさせては、雨が降っている外と、私の顔を交互に見て、しょんぼり。だから、私の力じゃ天気まではどうしようも出来ないってば。
 しかし、花梨、喜べ。明日は晴れるって、天気予報で言っておるぞよ。カラリと晴れ渡った空の下、気分良く散歩に行ってこようではないか、うむ苦しゅうないぞ、近う寄れ。
 ・・・のはずが、今朝もかなりの雨降り。あらっ、あらららっ、残念ねぇ。昨日に増して花梨の視線が痛い。しかし、のんびり朝ご飯を食べ、花梨の尻を撫で、ダラダラと掃除機をかけているうちに、雨がやんだではありませんか。それどころか、美しい晴れ間が!よっしゃー花梨、行くで!散歩に行くで!
 そして、気分良く歩いていたら、あら、また雲が。なんか薄暗いわ。あの晴れ間は何?何だったの。なんて言っているうちに、顔にぽつぽつと水滴が当たってますよ?もしかしてまた雨?こらっ、誰の許可を得て降って来てんだコンニャロ!
 心臓機能にイエローカードが出されている花梨をむやみに走らせるわけにもいかず、しかし雨の中の散歩ランラン♪とのんびり歩いているわけにも行かず、ビミョウな早足でサカサカと移動しはじめる私。心なしか早足でついてくる花梨。しかし途中で匂いチェックも怠らない花梨。おかげで転びそうになる私。
 家が近くなってきたところで、雨がやんで、じゃあまたノンビリしたペースで、と散歩する私と花梨。しかし、それを見越したかのようにまたパラツク雨。またもや、ゴキブリのごとくサカサカと移動し始める私と花梨。
 今日の散歩は、距離はいつもと同じなのに、ちょっとハードだったですよ。なのに、匂いチェックが充分できなかったと不満そうな表情の花梨なのでありました。