そうだったのか

新装版 一絃の琴 (講談社文庫)

新装版 一絃の琴 (講談社文庫)

 先日紹介したこの本、早速読み始めました。
 『依頼人』を読み終わった後、さーてどれから読もうかなと考えていたとき、ふくさんからコメントを戴いたのであります。琴習ってたなんて、カッコイイよねー。実は私の父は、初めての娘である私に何か習い事させようかという話になったときに、
「琴を習わせたい。」
と言ったのだそうです。どうやら、着物なんぞ着てチントンシャンとしているところが、実にオシトヤカで女の子らしい、と思ったもよう。がしかし、母に、
「琴なんて習わせたらお金がかかる。」
というような反対にあい、そんなにお金かかるなら違うのにしようか・・・ということでピアノになりましたが。琴を習うとお金かかるかどうか、実際のところ良く分かりません。
 そんなわけで読み始めて、私、気づきました。
 これ読んだことあったわ、昔に。
 たぶん、図書館で借りたのかなー…?テレビドラマ化されたものを横目にちらっと観た覚えがあるんです。たぶん、そのときに興味を持って読んだんでしょう。なんで忘れてんの?
 もっとも、かなり昔に読んだなーって思い出しているくらいなので、改めて惹きこまれて読んでいるのです。
 一絃琴というものに厳しい態度で臨む主人公に、ちょっと怖いくらいのものを感じます。かなりストイック。今となっては時代遅れと笑われそうなほどの身の慎み方です。
 それにしても、本というのは面白いもので、読むときの自分の年齢や考え方によって感想が変わってきます。たぶん、この本を前に読んだのは、それでも社会人になっていたときだと思いますが、もし10代のときに読んでいたら、また違った感想があっただろうな・・・と思うのです。例えば、主人公の苗が、琴の師匠である有伯の死後、下女として働いていた少女に手をつけて、あろうことか孕ませていたことを知りショックを受ける場面。今の私だと、
「まぁ、いい年の男性が若い女の子と一緒にいたら、そんなこともあるよねー。」
と考えてしまいますが、もうちょっと(?)潔癖だった10代だったら、主人公と一緒にショックを受けているんじゃないだろうか。
「いや!師匠ったらっ!不潔よ!」
なんちて。世俗にまみれるって、こういうことだろうか。そうでもないか。
 さて、今ちょうど半分読み終わったところですが、そろそろ苗さんと蘭子さんの泥沼の戦いが・・・。気合を入れて読むことにします。女同士の確執、こわいよー。