はりねずみ

 今日、H課長がウチワをパタパタ扇いでいたのです。今、省エネ・ケチケチ大作戦によりエアコンを中々つけなかったり、あるいは設定温度を高めにしているので、しかもH課長の席はエアコンの風が一番来ないところなので、暑かったらしいのです。しかし、H課長がウチワをパタパタしている姿が、いかにも昭和っぽくて、ウププと笑いながら、
「ううーむ、課長の周囲が昭和の雰囲気。」
とコメントしたら、N係長が(他に話し相手がいないのか私は)、
「セピア色の感じ?」
というので、
「うん、そんな感じ。」
「ところでさ、こないだテレビで観たんだけど、セピアの語源って知ってる?ヒントはね、黒。」
「黒?」
「そしてね、生き物。」
「生き物?・・・はりねずみ?」
「こら!今、俺は黒って言っただろ。次に生き物って言ったのに、どうして黒を無視するんだよ!黒はどこに行ったんだよ!」
「ええっ、はりねずみは、ちょっと黒っぽい色だよ・・・。」
「黒っぽいけど黒じゃないだろ!」
「じゃあ、もぐら。」
「もぐらのどこが黒なんだか、俺には分かんないよ!」
「はりねずみより、黒っぽいよ!」
「見た事ないよ!」
「そういえば、私もモグラは見た事ないなぁ。(なのに黒っぽいって断言しましたよ)えええええ、黒、黒、黒。」
 結局のところ、イカの種類にセピアなんとか言うのが居て、そいつがいわゆるセピア色なんだそうです。
「ひとつ、おりこうになったでしょ。」
 そうですね、また役に立たない知識をありがとうございました。