らむね

 殿こと、開発部のM氏は、ラムネが好きなんだそうです。それはおいといて。
 昨日、会社の定時(5時)間際に、
「おっと、そうそう、メールをチェックしておこう。」
ということで、メールソフト起動したら、殿からのメールが。それを読んで、私の眉間に縦シワが。
『タイトル:飴 本文:飴がなくなった。週末に買い忘れた。補充しておいて。』
 補足説明いたしますと、殿はいつも机の上に飴を入れた缶を用意しておいて、仕事の合間に食べているのです。週末に戻った際に飴を買って補充しているのですが(そして時々私が盗んでいる)、最近はサボリがち。
 そのメールを読んで呆気に取られていたとき、外で変な音がしたらしいのですが、気づかなかった。
「たじんこさん、今、ズドドドドっていう変な音がしませんでした?」
「え?ホント?ごめん、今、私、殿からの『飴がなくなったから買ってきて。』っていうメールに気を取られて、周りの音が聞こえてなかった。」
って答えたら、皆が笑ってた・・・。そこは笑うところじゃないから。
 結局、帰り際に内線かけまして。
「ちょっと!あのメールは何よっ。何で私が殿の飴を補充しなくちゃならないの。」
「だって秘書だから。」
「秘書じゃねぇっつの。こんな手のかかる人の秘書なんてイヤだよ。」
「バカだな、手がかかるから秘書が必要なんだろ。」
「それもそうか。」
 納得してる場合じゃない。
「ラムネとねぇ。」
「ラムネは飴じゃねぇ。」
「ラムネとねぇ(人の話を聞いてない)、えっとねぇ、えっとねぇ。」
「もうすぐ50歳になるオッサンが、えっとねぇ、って言うな。」
「えっとねぇ、ラムネとねぇ。」
「ラムネはもういいから!」
「ココアかチョコ味の飴がいい。バンホーテン。」
バンホーテンのココアは知ってるけどさ、それの飴ってあるの?」
「知らない。言ってみただけ。」
 結局、帰りにスーパーで、ちゃんとラムネと飴(チョコ味とココア味・バンホーテンの飴あった!)を買ってあげた私は、世界で何番目かにエライと思う。ちょっと(いや、かなり)憎たらしいので、ラムネは席のところにマグネットクリップでダラーンとぶら下げてやりました。ダラーンとな。