成人式

 そういえば、成人式だったんですねぇ。自分を省みて、別に二十歳になったからって大人になった!とは思わなかったですねぇ。二十歳のときは、まだ親のスネをかじるしかない、自分の稼ぎのない学生でしたから。自分では、ちっとも成人と思えなかったです。母に言うと気にするから言わないですが、母子家庭でしたし、細々と年金で暮らしているのに大学まで出してもらっちゃったわけですから、とにかくあとは大学卒業して就職して食い扶持稼がねば、と思ってました。あんまり、振袖着てウハウハとかつての同級生に会いに行くっていう気分にはならなかったですねぇ。あと、単純に群れるのが好きじゃないので、わざわざ人がたくさん居るところに行きたくなかったっていうか。
 あえていうなら、社会人になって初めての給料貰ったときのほうが、ちょっと大人になった!という気分は盛り上がりました。
 でもさ、親がヤイノヤイノと煩く言うので、結局振袖着て、写真は撮影したんですよねー。成人式には出なかったけど、自分の誕生月に合わせて。2月生まれだから、成人式のときは、厳密には19歳なんですよ。だから、ちょっと拘って、ちゃんと20歳を迎えてから写真を撮ったです。
 今ほどじゃないけど、当時もパッツパツのプックプクな体型でしたので、出来上がった写真も恐ろしく膨らみあがった私が写っており、我ながら怖くて二度と見てません。押入れの中でカビてるんじゃないか、あの写真。
 しかも、写真屋さんが、
「お嬢さんがお嫁に行ったときのために、アルバムを2つ作られる方もいらっしゃるんですよ。」
なんてオススメしちゃって、母親がすっかりその気になっちゃって、本当に2つ作ったんですよ!嫁に行けたとしても、そんな恐ろしい写真は置いていくから、と母に言ったのに、聞いてねぇ。
 毎年、成人式でムダに騒いで逮捕される若者が居るようですが、成人式に行ってるだけ可愛げがあるよな、と思います。本当に可愛げ無いのは、私のように行けるのに行かない、行きたくないっていうタイプだと思う。