まだまだ花梨の話

 はいはい、しつこくて済みませんねー。また犬の話ですよー。
 わざわざ獣医さんに連れて行ったわりに、先生の話を聞いただけで診察が終わった土曜日。そして、ハラハラと花梨の寝顔を見ていた日曜日。いっそ会社なんか行かないで花梨と居たいちゅーの、な本日・月曜日。結論からいうと、花梨は普通に元気です。
 先日、近所の方に聞いた話ですが、そこのお宅で買われていたワンコもやはりそれなりに高齢で、最近は散歩に行きたがらないので庭につながれているまま、ご飯食べて寝て・・・を繰り返す日々だったのです。それが、ある日、ご飯を食べ始めたと思ったらコテンと倒れ、あ!と思ったらまた起き上がってまたご飯を一口食べ、再びコテンと倒れ、それっきり五ご臨終だったそうです。あんまりあっけない終わり方で、飼い主さんもビックリ・ボーゼン。
 前回の獣医通いのときに、ふと母がそんな話を先生に漏らしたところ、先生が言うには、心臓発作でしょうねぇ、あまり苦しまない死に方だと思いますよ、ということで、死ぬことが避けられない事実だとしたら、いっそ花梨もあの世へ行くときは、それくらいポックリ逝ってくれたほうが、本人も必要以上に苦しむことがないだろうし・・・なんて思ってたんです。
 でも、それはウソだった。土曜日に花梨がフワリと前のめりに倒れたとき、真っ先に浮かんだのが、そのポックリと逝った犬のことで、それじゃなくても心臓が弱ってきてますって言われてるのに、いきなりそんな急にちょっと待って!と、ものすごーく頭が混乱しました。頭で理解したつもりのことと、ホンネというか体で感じていることはまったく別で、私は花梨がどんな逝き方をしようとも、納得なんてしないんだ、と痛感しました。長く患ったら、苦しい思いを長引かせたと思う。急に逝ったら、何が悪かったんだかを考え続けて答えの出ない堂々巡りをする。
 今、これを書きながら、花梨がもしも・・・なんて考えているだけで、手が震えてくるんです。おかしいでしょ。会社では(家でもだけど)、態度がでかくて怖いもの知らずで、もうちょっと若いときには違うと思ったら社長にだって楯突くほど気の強い私が、花梨を失うことが恐ろしくてたまらないのです。でも、必ず別れのときが来る。それがまた怖い。
 結局、気持ちの整理なんてつかないままなんだろうなぁ。