DVD「ゆりかごを揺らす手」

 これは、一時話題をさらった「危険な情事」の情事抜きというような話です。何のこっちゃ。

 クレアは喘息の持病があるけれど、娘エマと夫マイケルと幸せな家庭を築き、もうすぐ第2子を授かろうという女性。第1子の時にお世話になった産婦人科医が引退したため、新たにモット先生に診察してもらうことになった。が、その初診のとき、モット医師はクレアにセクハラをする。悩むクレアを夫マイケルが励まし、モット医師を医師会に告発します。そして、他の女性にもモット医師が訴えられるという事態に。追い詰めたれたモット医師は自殺し、モット医師の妻・ペイトンは流産していまいます。そうです、モット医師ももうすぐ父親になるはずだったのです。財産を没収され、住む場所も夫も子供も相次いで失ってしまったペイトンは、クレアに復讐を誓います。
 クレアは子育ての合間に、趣味の園芸に力を注いでいて、近所の植物園の手入れのボランティアをしています。忙しそうなクレアに、マイケルは乳母を雇おうと提案。そこへ、まんまとペイトンが乗り込んできます。ペイトンは、とても上手に立ち回り、マイケルとクレアの信頼を勝ち取り、一方で復讐の準備を着々と進めていきます。が、クレアとマイケルに、家の補修のために雇われているソロモンという男は、ペイトンの恐ろしさに最初に気付きます。そこで、ペイトンはソロモンがクレアたちの娘エマにわいせつな行為をしているとクレアに信じさせ、排除します。そして、ペイトンの素性をしったクレアの親友まで殺してしまいます。
 ペイトンは、最終的にクレアを殺して、自分がマイケルの妻となり、エマと赤ん坊の母親となり、クレアの家庭を、クレアの幸せを乗っ取ろうと計画していたのです。しかし、そんなにうまくコトが運ぶわけがありません。モット医師の妻ということがばれて、一旦は家を出るペイトン。しかし彼女はあきらめてはいなかった・・・。果たして、クレアは、マイケルは、そして子供たちはどうなるのか?

 ことあるごとに喘息の発作を起こすクレア。そして、ペイトンの小さな復讐の積み重ねが見事です。そして、ちょっと狂気を感じる視線がコワイ。派手な怖さはないけど、ジンワリ・ジンワリと追い詰められていく感じです。