悪女

 例によって、K社のKさんと電話で与太話していたら、
『たじんこは、隣の席のI主任と不倫をしていたが振られたので、琵琶湖までセンチメンタル・バスツアーに出かけることになった』
という話がまとまりました。
 というわけで、こんにちは、小悪魔なたじんこです。私に小悪魔って一番似合わないフレーズだと思いました。
 本当は、KさんがI主任宛てに電話をしてきたので、取り次ごうと社内放送したのに、電話に出てもらえなかったので、
「Kさん、振られちゃったよー。電話に出てくれませんでした。」
って応対したら、なぜかそこから物語が膨らんでしまいました。んで、最後に
「だめですよ、Iさんは妻も子もいるんですから。」
などと言われ、ついつい私も
「・・・ねぇ?」
なんて答えてしまったのでありました。たじんこ、のり過ぎ。すみません。
 でも一度なってみたいなぁ。悪女。小悪魔。シャンプーのCMみたいな。皆、花束持って私を迎えに来てもいいんだぞー、みたいな。
 でも、実際にはレストラン行ったらメニュー見て注文してもぐもぐ食べることに忙しいと思うし、花束は投げたりしないで持って帰って仏壇に供えて
「花代、助かっちゃったなぁ。」
って喜ぶと思うし、朝から晩までデートのために時間使ってたら編み物進まないじゃないかということになってストレス溜めてると思うし。
 地味にマジメに生きていきます。
 私は常に地味でマジメに生きているつもりなのに、地味はともかくマジメに見てもらえないことがあります。やだなぁ、マジメなのに。ちょっとお茶目さんなだけなのに。