いい女になろう

 といっても、見た目じゃなくて、中身の話。どっちも手遅れだという声が聞こえてきそうだが。
 茶道の弟子仲間Kちゃんが、遠距離恋愛を実らせて、東北に嫁に行ってしまってから、なかなか会う機会が持てなかった。帰省してきたとき、せっかく誘ってくれても、私が中々会えなかったということもある。青年部のことで一番悶々としていたときは、特に会いづらかった。本当は彼女が実質的に抜けた分、私が頑張らなくちゃならなかったのに、敵前逃亡のごとき態度だったから。そして、彼女が声をかけた仲間たちは、青年部つながりの人が多いことが分かっていたから。
 が、先日、Kちゃんから久しぶりにメールが来て、7月末に帰省することが分かった。うん、今度こそ、会おうね。そして、お互いの近況を限られた文字数で(なんせ携帯メールなので)報告しあった。彼女は、和裁を習い始めたって言ってた。なので、私も、ここのところ編物にはまってることを報告。そもそも、私が編物にこんだけはまるキッカケを作ったのはKちゃんなのだ。彼女がまだ遠距離恋愛をしていたとき、彼のクリスマスプレゼントに帽子を編むといって、ボウリング大会(これも青年部だ)のときにせっせと本を見ながら編んでいた、これがキッカケ。棒編みは少々やったことがあったけれど、かぎ編みはほとんど分からなくて、彼女もかぎ編みは初めてって言いながら編んでいたなぁ。私も横から本を見て、ここはこうやるみたいね、なんて言ってた。そのとき、彼女が見ていた本は写真で手順が載っていたので、
「今はこんな分かりやすい本なんだなぁ。」
って妙に感心したことと、もともとキライじゃないから、編物楽しそう!いっちょ、やってみっか?って、本屋で基礎本1冊と、手芸屋で安い毛糸と棒針を買って勢いで始めたことは、自分の中でくっきり覚えている。
 Kちゃんは、たぶん自分がキッカケになったなんて思ってない。今回、言う機会があるかなぁ。言ったら、驚くかなぁ。
 別にPRしたわけでもないんだけど、会社でも私が編物することは知られてきてしまった。別に悪いことでもないが。というか、
「早く編物したいから、定時になった途端に帰るぜ。」
って宣言してるんだから、皆知らずにいられないけどさ。
 話がそれたけど、Kちゃんのメールに、
『編物、私もしたいな、楽しそう!(中略)お互い、いい女目指して頑張ろう。』
ってあった。そうか、そうだよね、人生はまだ先が長いものね!