ぼんやり

 告別式に行って来ました。お顔も見せていただくことができましたが、本当に安らかで、寝ているみたいな…、呼びかけたら
「あ、ごめん、寝てた。」
って起きそうな感じさえしました。
 死因はくも膜下だったそうで、しかも倒れたのは5月ということで、長いこと闘病されていたようです。しかも、かなり悪い状態から回復して、10月に入ってからは落ち着いたので、東京から群馬の病院に転院しようという話がまとまった矢先、お亡くなりになったということで、告別式で親族を代表して挨拶なさったお父上は、時々涙声で詰まりながらも闘病の様子を語り、
「急に亡くなることにたいして、納得がいかない。」
と仰っていました。この表現が正しいかどうかは分からないけれど、明るくて美しい世界への道を示され、歩き出そうとしたところで地獄に突き落とされたというような印象です。
 お医者様が、今までこんなに回復した患者はいなかったと言うほどだったのに、最後は肺に血栓が詰まったのが原因だったそうで、なんともやりきれない話です。
 病に倒れたのは5月でしたが、倒れたときに東京にいてそのまま東京の病院に入院していたことと、意識を回復したときの本人の希望により、身内以外には倒れたことを知らせなかったので、付き合いの浅い私だけではなく、多くの人にとっては本当に突然の悲報でした。
 亡くなった方は43歳。ちょうど私の10歳上です。まさかこんな幕引きになるとは、誰も想像してなかった。今日、しみじみと、親より先に逝くことだけは無いようにしたい、と思いました。