「名もなき毒」

 宮部みゆきさんの、「名もなき毒」を読了しました。宮部さんのインタビューをどこかで読んで、その際に、将来的には現代ものはこのシリーズだけに絞りたいと考えているというのを読んで、思わず買っちゃいました。もっとも、シリーズとして残すのは、っていう意味かもしれず、単発の現代ものは出るのかもしれません。シリーズというからにはシリーズなわけで(?)、もし読むなら、先に「誰か」という作品を読むことをおすすめします。私も「誰か」を読んでから、「名もなき毒」にとりかかりました。
 このシリーズの主人公、ちょっと珍しいタイプかも、と思いました。いわゆる”逆玉”に乗った人ですが、野心があるわけでもなく(野心がないからこそ、そういう立場になったんですが)、ものすごい才能があるわけでもない平凡な人で、家庭も円満で。仕事もサラリーマンなのに、ヒョンなことから事件に係わっていくというか、係わらされるというか。
 妙に善良で毒の無い、ちょっとお人好し。次回作が待たれます。