花梨

 花梨のケガは、自然に爪がポロンと取れるまで保護のために包帯グルグルが必要です。どのくらいで爪が生えてくるのかしら…。それまでは朝晩、消毒したガーゼを当てて、包帯をグルグル。
 が、花梨は足をギューって持たれるのが大嫌いな上に、ケガのところを触られると痛いみたいで、そりゃもう、激しく抵抗します、狼みたいな険しい表情になって、人の手をモガモガと噛みます。痛いです。本気で噛んでます。だって、手に穴が開いてるもん(泣)。仕方ないので、口輪してから、羽交い絞めして体を固定してます。
 あと、薬を飲ませなくちゃならないんですけど、これも機嫌が悪いせいか、いつもは比較的素直に飲むのが、ものすごい抵抗して、ペッペと吐き出してます。ほーら、薬を飲んだら、このおいしい「角切りおいも」をあげるからねぇ、花梨はこれが大好きだもんねぇ、だから口を開けてねぇ、くくく、食いしばるなってのに、ムガ!(口を無理やり開けさせる)グイグイ!(薬をノドの奥に突っ込む)ムニャムニャムニャ(花梨がノドの奥の薬をナントカ吐き出そうとしている)。
 薬を見ると狼の顔、おいもを見ると、いつもの花梨の顔…。
 昨日と今日で、花梨にすっかり嫌われた私ですが、さすがに手に穴があくほど噛まれたら、ちゃんと反撃してますよ。この二日で、花梨は私に3回ほど横っ面を張り飛ばされました。
 今まで飼った犬も猫も、反抗したとしても、私が一度怒ったら(閻魔大王より怖い)、その場は素直に言うことを聞いたのに。花梨ほど反抗する犬は初めてです。あたし、どこで躾を間違ったのかしら、あたしの育て方のどこが…、って、思春期の子供を持つ親のようだわー。でも花梨は、バーサンのはずなんだが。包帯交換のときの暴れ方なんて、ハトヤのCMの魚のようだ。活きが良い。