せかいせいふくのやぼう

 世界征服の野望…、ふっふっふ、会いたかったよヤマトの諸君。違うがな。それは宇宙征服。(ひとりでツッコミ)
 今日、例によってN氏とヨタ話してましたら、某課長がN氏を驚いたように見つめて、
「N君、君はずっとここに居た?」
と聞くのです。私がつい
「Nさんはしばらくの間はここに居ましたよ。あっちにチョコ・こっちにチョコっと行ったり来たりはしてましたけど。」
とアリバイを証言すると、某課長は
「今さ、2階の組立課に内線して、N君だと思ってずっと話てたのに…。」
と、ちょっとミステリーな、サスペンスな一言を呟いたので、のりやすいN氏と私はすっかりそちらにペディグリーチャム(夢中)。仕事の手を止めて、組立で某課長と内線で話したのは誰かという話題に。そして、N氏が
「きっと俺、無意識のうちに分身の術が使えるようになったんだ。」
と言い出しました。で、私が、
「じゃあ、仕事が二人分できるね!楽になるね。」
と言うと、
「いや、分身がそんないい奴とは限らない。むしろ悪い奴だったらどうしよう。」
「悪い奴?」
「世界征服をたくらむような奴だったら…。俺、陥れられちゃうかもしれない。」
「…じゃあ、私はその分身さんにヘコヘコとゴマすりして、世界征服を達成した暁には、官房長官あたりにしてもらおう…。んん?待てよ、違うな、役職は、大奥総取締にしてもらおう。」
「お、おおおく…?」
「うん、面倒な政治その他はNさんに全部任せる。私は大奥で、のんびりしとくわ。そんで、殿になったNさんがたまに遊びに来たときには、若い子にお相手させるんだ。うん、そうしよう。」
「ちょっと待ちなさい。俺を倒してたじんこちゃんが世界を乗っ取ろうとかは思わないの。」
「だって、世界を征服しても、その後が大変そうじゃん。わざわざそんな自分から面倒を背負わなくても。」
 こういう根性の人は、そもそも世界征服なんて出来ません。