花梨

 昨晩から、花梨の様子が変でした。妙に落ち着かない様子で、ヒーヒーと鳴きながら外へ出たり、中へ戻ったり。そのうち、体をブルブル震わせて、夕飯も食べずにおりました。うーん、風邪を引いたのだろうか…。花梨は、獣医さんのススメで、我が家にやってきた年から、かかさずに毎年、八種混合のワクチンを接種してもらっているので、やたらな病気にはかからないはずなんですが…。
 犬を飼うのは初めてではなかったけれど、室内犬として朝から晩まで一緒というのは初めて。猫は、自分がかまって欲しいときしかすり寄ってこないけれど、犬は人間にくっつきたがるものだし、まして花梨は依存心が強いみたいで、そこらへんを弁えて躾をしなかったアホな飼い主の責任なんですけど、花梨はものすごく寂しがりに育ってしまいました。
 今回の不調が寂しがりに関係するのかどうかは分からないけれど、夜中もずっとフィーフィーと鼻を鳴らしていたようだし、結局朝ごはんも食べず、布団からも出てこないので、母が心配して、獣医に連れて行くことに。幸い、今日は私は茶道がお休みの日だったのです。
 獣医さんも、結局原因が分からず、一応の措置として注射を2本ブス!っと。そして、前から気になっていた花梨のオッパイのところのシコリのことを言うと、あっさりと
「あ、これ、ガンだ。」
と言われました。あー、やっぱり。ガンといっても、調べてみないと良性か悪性かは分かりません。急激に大きくなるようならすぐに手術だけれど、今現在の大きさでとどまっているようであれば、1ヵ月後くらいに手術をするのがベストだろう、という話です。もちろん、強制じゃないから、飼い主である私と母の判断によります。可能性としては低いけれど、麻酔が合わなくてショック死する場合もあるので、それを了承できるのであれば、という条件です。
 花梨を飼い始めたとき、生後1年を迎える前に、本当は避妊手術をする予定でした。けれど、花梨は原因不明の発作を起こすことが多々あって、余計な負担を与えないために、手術は見送ってきたのです。子犬を産ませないのであれば、子宮と卵巣を取ってしまえば、ホルモンが原因となる病気を予防することも出来るけれど、それは可能性の話であって、別に手術しなくても病気になるとは限らないので、それはそれでよいと思っていたのです。
 しかし、ついに望ましくないことが起きてしまいました。手術をしなくても、花梨は天寿を全うさせられるかもしれない。けれど、もし悪性腫瘍だったら、すごく苦しむことになる…。
 普通、手術したら、入院するんだろうけど、花梨がお世話になっている獣医さんは入院させないんですよ。自分が大変だからかな。まぁ、送り迎えくらいは会社をさぼってでもしますけど(問題発言)、花梨を手術させても、させなくても、私は泣くような気がする。たとえば、私がガンかもしれないから、とにかく手術は必要ですって言われたら、自分で覚悟を決めて入院できるけれど、花梨はそんなこと分からないものね。手術を受けさせたらすごくショックだろうなぁ。
 ちなみに、花梨は今、少し落ち着いてきて、半分白目むいて寝てます。手術云々より、今の不調をよくするのが大事なんだよねー。しかし、原因が分からなくて、困る。