それってどうだろう

 上で書いた通り、マツモトキヨシに行ったときに、ねちっこく店内を回遊しながら(サメか?)商品を眺めたり手に取ったり棚に戻したり。メイク魂再び、の今、しばらく見ないうちに色々と出揃った化粧品たちが珍しくてたまりません。で、買う予定のない品物も物色していたところ…。なんというかセカンドラインとでもいうのか、ほらKATEとかラヴーシュカのように、ちょっと若い人向けのって感じのする、またはテスティモとかマキアージュといったブランドよりはお値段がお財布にやさしい、っていうラインの化粧品あるじゃないですか、そんなコスメたちが集められているコーナーを、行きつ戻りつ、していたときの話です。
 ちょっと甲高い声が聞こえて、ふと目をやると、おチビちゃんがお母さんらしき人物に話しかけています。お母さんが、口紅か何かを選んでいるらしい。子供の頃、お母さんの化粧品をイタズラして怒られたり注意されたことのある人、少なく無い、と私は思っています。私もそうだった。友人の甥っ子も、お化粧しているところを興味津々で見ていて、パウダー用のパフを自分の顔にポンポンとはたいてお化粧のマネをしたというし。子供にとっては、すごく楽しそうに見えるのかも。大人だって、楽しいし。で、お店に行こうものなら、カラフルなものがたーくさん並べてあるんだもの、色々と遊びたくなるのはすごく分かる。かくいう私も、手の甲を使って色遊びしてますし。
 で、女の子とおぼしきおチビちゃん、楽しそうにあっちのケースやこっちのパッケージを手にしては、お母さんに見せに行ってます。お母さんの化粧品選びを手伝っているつもりなのかなぁ?ちょっと煩いような気もするけど、でも微笑ましいなぁ…。ちらっと見ると、お母さんは、そんなおチビちゃんをもてあましている様子。というか、ちゃんと見てないっていうか…。おチビちゃんを見ずに、視線は化粧品のサンプルに固定したまま
「ちょっと、商品を持ってこないでって言ってるじゃないの、戻してきて!」
「いちいち、口を出さなくていいわよ!」
「そんなの要らないって言ってるでしょ!」
と、おチビちゃんの言うことや行動をとにかく否定。おチビちゃんは、なんとかお母さんの気を引こうとして、怒られても怒られても、せっせと化粧品を見せに行ってる。
 そのうち、あんまりおチビちゃんがまつわりつくのが面倒になったのか、はたまた自分の化粧品選びが終わったのか、無言でさっさと棚から離れて店内を移動してしまうお母さん。おチビちゃんは、慌てて走って後を追いかけていきました。
 あれだけ素直なおチビちゃんなんだから、お母さんも、もう少し余裕を持って話してあげたら楽しいんだろうに、なんて言ったら、怒られますかね。