風邪

 風邪、流行ってますね。おなじみK社のKさんも、鼻声で電話をかけてきました。
「ん?風邪ですか、その声。」
「そうです、げほげほ。」
「じゃあ、今日はうちの会社に来ないでください。」
「なんで、そういう冷たいことを言うんですか。」
「風邪をうつされたくないからです。来るな。絶対に来ちゃならん。」
「ひどい!」
なんて会話をしたのが昨日。そして、今日もまだ鼻声のK氏。
「もう治りました。」
「うそつけ!その声は、まだ風邪です。」
「今、こういう声に変わりつつあるんです。」
「声変わりかよ、わはははは。」
「35歳ごろに、また声が変わるんです。」
「ウソだ、あはははは。しまった、今のツボに入った、あははははは…。」
「今日は、行ってもいいですか。」
「じゃあ、部屋には入らないでください。」
「いやです、近くまで行きます。接近します。」
「ていうか、そんな接近したこと、今までもないだろー!」
接近されても困りますが。困るのはK氏か。何の話だ。
 で、風邪菌ウヨウヨさせながら、K氏がやってきましたので、いつもは手渡しの受領書を、机の上において
「おう、持っていけ。」
という方式にしました。
「またぁ。ちゃんと渡してくださいよ。」
「うん、いいから持って行きなさい。そこに置いときましたから。」
などとやっていたら、T係長が登場。
「Kさんちは、奥さんが看護婦だから、風邪引いたらすぐに点滴してくれるんでしょ?」
「そんなことないですよ。」
「そういうときのために、常に家に点滴が用意されているんでしょ。」
「ありえませんよ!」
「いいなぁ、それ。」(これは私)
「いやいや、良くないです、そんなことしてませんよ。」
 その後、K氏が帰ったあと、普通のサラリーマンだったK氏が、どうやって白衣の天使をゲットしたのかで盛り上がったのでした。