お茶汲みOL

 前にも書いたような気がしますが、「ふんふんふんぎ」さんというサイトさんの日記で記憶が蘇ってきたので、また書きます。年寄りは、何回でも同じ話をするものじゃ、おほ・おほ・おほ。
 今、私の職場は、給茶機が設置されております。飲み物は、基本的にセルフサービスです。事務仕事なのをいいことに、好きな時間に好きなだけ好きなものを飲んでいます。が、入社したときは、お茶汲みという仕事が健在でした。給湯室なんてものが無く、電気ポットが据え置かれていました。10時と3時は皆緑茶を飲むのですが、朝の始業時に配るのは、それぞれの好みに応じて、コーヒーか緑茶。コーヒーは、インスタントですが、砂糖入り・砂糖とミルク入り・ブラックとありまして、ちゃんと表が貼られていました。新人研修は、まずこのお茶汲みを教えることから始まる…。
 既に、時代は、そんな制度を廃止しようと動いていたときです。正直言って、くそ忙しいときに、お茶なんぞ自分で淹れて飲みやがれ!と、何回思ったことか。汚い言葉遣いですみません。でも、本当にそう思ったんです。
 給茶機の設置は、売り込みに来た若いお嬢さんの笑顔に負けて、経理課の常務が決めてくれたものだったのですが、社内の噂では、お茶汲みなんかやってられるか!と私が常務にゴリ押ししたことになっていたようです。何とでも言いなさい。しかもそのとき、ちょうど同じ部署の女性社員がバタバタと退職して、お茶汲みが私一人の肩にのしかかっていたときだったので、常務がちょっとだけ同情しただけです。いや、厳密に言うと、当時も同じ部屋で働いていた女性が約一名いましたが、その人はなぜかお茶汲みの当番に入っておらず、人がいれたお茶は当然の如く飲むが、私がいくら忙しくても、じゃあ私もお茶汲みしようなんてことは、一切言わない人でした。
 受付嬢が休みのとき来客があると、いちいち私にお茶やコーヒーの要請があるだけで、今は平和なもんです。お客さんのお茶は淹れる、と言ったら、地元では名の通った会社の女性社員に、
「ダメよ!そんなの。男性だって同じようにお茶を淹れるべき!」
って怒られたことがありますが、お前の淹れたお茶なんか飲みたくないって言われるよりは、お茶淹れてーと頼まれる方が良いなー…と。一回、他社を訪問したとき、男性がコーヒーを持ってきてくれたんですが、なんか馴染まなかったです。所詮、頭の中に古い概念がこびりついているのでしょう。
 ちなみに、午後2時くらいに、
「コーヒーでも飲むかぁ。」
って呟きながら給茶機に向かうと、俺も・俺もという声が聞こえてくることが、良くあります。
「ああーん?」
とか文句言われてでも、自分でコーヒーを淹れようという気にはならないらしい、同じ部署の男性社員たち。
「薄めでいいから。」
って、濃いも薄いも、手間は同じだってばよ、T係長。胃が弱いから、薄めが良いって正直に言いなさい。
 ちなみに、バレンタインデーも、私が入社した当時は、実にニギヤカな行事でしたが、今はパッタリ。それにしても、面倒面倒っていいながらも、昔は皆良く配ってたよなぁ、と、これこそ、実に不思議な行事でした。眉間にシワ寄せて面倒くさがるんだったら、最初から止めとけばいいのに。面倒だから、チョコは配らん、って入社当時から決められた私が強気すぎたのか。その可愛げの無さが、今につながっているのか。ていうか、私は誕生日が近かったから、チョコを貰ってたな、そういえば。だから、ホワイトデーのお返しを買ってたわ、そういえば。男か!あはははは。