珍しく眠れなかった

 あ、今日はあんまりいい話じゃないです。汚いっていうか、気持ち悪い話なので、そういうのが弱い人は読まないでください。


















 昨夜は、眠れなかった。というより、寝つきが悪かった。
 会社の敷地内に、小さい倉庫(という名の掘っ立て小屋)がありまして、部品を保管していますが、何せ掘っ立て小屋なものですから、時々ネコが宿泊しているようです。
 先日、異臭がするということで、担当者が調べたら、箱の中で子猫が死んでいたそうで。異臭がするくらいだから、まぁ相当日数が経っていたようで、ここ数日の暖かい陽気のおかげで、えらいことになってしまったようです。ようで、が多すぎじゃ。子猫だから、ダンボール箱に入ってしまったあとに、出られなくなったらしいです。この倉庫、毎日チェックするわけじゃないし、毎日見たところで、全部の箱を開けてチェックするわけじゃないので。むしろ、今はあまり生産しなくなった部品の箱だったので、余計に発見が遅れたのです。で、担当者が、事情を説明した上で、
「ちょっと役所に電話しといてよ。」
と言うので、9時に電話しました。
 電話する前に、一応確認しておこうと思って、そのブツがあるという倉庫へ行って、シャッターを開けた途端にすごい匂い。そして、箱ごとビニル袋に入れてあったんですが、そのビニル越しにも見える、大量の虫。ぎゃー!朝から恐ろしいものを見てしまった。
 で、役所へ電話したら、
「道路で死んでいた場合は、連絡を受けたらこちらで処理するんですが、個人や会社の敷地内ですと、その所有者に処理していただくことになるんですよ。」
ということでした。うーん、やっぱりそうか。
 で、出入りの業者に連絡したら、
「ネコはねぇ、引き取れないんですよ。牛とか豚なんかの家畜だったらねぇ、専門の業者があるんで、引き渡せるんですけど。埋めちゃったらどうですか。」
埋められるか!部品ごと処理しなくちゃならんのだ。大体、勝手にそこらに何かを埋めたら、廃棄物処理法違反じゃねぇか。朝からすごいものを見てしまったために、機嫌がかなり悪い私。あーっ、どうして私がこんなことを?これも仕事なわけ?冗談じゃねぇよ!総務(の長)に内線して説明したら、ナンだカンだと言って、動く気配なし。そうだよなぁ、この人、自分の部署ですべき仕事もこっちに回してくる人だもんなぁ・・・、言うだけ無駄だったわ。で、廃棄物を担当している次長に相談したら、
「市の焼却場に持ち込めば処理してくれるよ。明日、やっとくから。」
ってことで、お任せしてしまいました。やれやれ。でも、匂いがすごいし、車に乗せたらえらいことになるのでは・・・。
 結局、発見からもう一晩、ネコは箱の中で過ごすことになってしまったわけですが、
『ネコはノラネコだったのかな。子ネコって言ってたけど、母ネコが探してるんじゃないかなぁ。あんなところで、きっとミーミー鳴いていたんだろうに、気付いてあげられなかった。あんなに虫が湧いちゃうほどの姿になって、やっぱり可哀想だ。ゴミとして処理するの、可哀想かしら。ペット供養してくれるって業者を探した方が良かったかな。でも、ネコだけじゃないもんね、部品を箱ごとだもんね。燃えないことはないけど、樹脂だから燃やすのは本来はまずいんだろうな。』
と、延々考え出したら止まらなくなってしまいました。
 それが、寝付けなかった理由。そして、やっと眠れたと思ったけど、さすがに眠りが浅かったみたいで、すぐにまた目が覚めて、目が覚めた瞬間からネコのことで悶々と。
 ネコは今日、処理してもらえたけれど、私の心の整理は、まだかかりそうです。ふー・・・。
 そして、これを最後まで読めた人がいらっしゃったら、読んでくれてありがとうございました。
「ネコだって生き物なのに、ゴミみたいに処理しようとは何ごとだ!」
って思う人、多数と思います。今の私は、そういう批判を受けなくてはなりません。動物愛護の風上にも風下にも置けないような性格だよなぁ、花梨は可愛くとも、他の動物に対しては冷酷非道なのが、私の本性なのだな、と思いました。こういう非常事態に、本性が現れる。