軽井沢2008珍道中

 今年もやってきました、ゴールデンウイーク。GWと言えば、友人Mと私の珍道中が繰り広げられる時期です。そして、今年は軽井沢。私、なんとなくですが、軽井沢が好きなんです。友人Mと軽井沢に来るの、3回目。二人の初めての旅も、軽井沢だったわね。群馬から、ほどほどに近くて、でもアウトレットでちょっと珍しいものも買えて、楽しいわよね。
 二人の旅はいつも電車ですが、今年は初の試みとして、レンタカーを借りました。2年前、自転車で移動して、非常に大変だったからです。体力的に。軽井沢は山のふもとですので、アップダウンがきついのです。
 さて、軽井沢に着いたら、あいにくの天気。吐く息が白い。オイ待て、今は何月だよ。春じゃないのかよ。4月末ですよ。そして、軽井沢をナメて薄着で来たたじんこ、寒さの余り震えました。実は出かけに、母に
「軽井沢寒いんじゃないの?天気悪いし、もう一枚上着を持っていきなさい。」
と散々言われたにも係わらず、
「なるべく荷物を少なくしたいから、要りません。」
と、長袖Tシャツにカーディガンという軽装で来たのでした。
 まず、駅に着いたのがお昼前だったので、腹ごしらえから。適当に目に付いた蕎麦屋に入りました。とにかく温かいものが食べたい、ということで、三菜そばをセレクト。友人M(ちなみに、ちゃんと一枚上着を着ていた)は、きのこ蕎麦。なかなか美味しい。そして温まる。
 そして、ネットで予約していたレンタカーの手続きをするため、駅に戻りました。軽自動車ながら、ナビ付き。本当は、運転は交代でするはずが、結局友人Mがずっと運転するハメになったのでした。理由は行き先にありました。その話は、少し後で。
 ナビを使うのは、二人とも初めて。適当に操作したら、行き先が設定できたらしい。でも、ナビって普通しゃべるよねぇ?このナビ、何も言わないよ。何か言ってよう。適当にボタンを押して、ますます分からなくなる私。
「もしかして、ダッシュボードに取説が入ってませんか。」
というMの冷静な指摘に基づき、助手席の私が責任を持って音声が出るように設定。行き先は、メルシャン軽井沢美術館ウィリアム・モリスの作品を展示していました。前に地元美術館で展示があったときに、見たいなと思いながらも見逃していたから嬉しい。そして、メルシャンはワインやウイスキーのメーカーですね?こちらで製造されたワインやウイスキーを買うことが出来るし、試飲も出来るのです。チケットを買うとき、試飲のための引換券も貰えます。ワインかウイスキーが、ほんの一口飲めます。友人Mは、ビール党でワインやウイスキーは受け付けないため、私が飲んで良いことに。そして、飲んだら車の運転はしちゃいけないんですよ。というわけで、友人Mの
「いいですよ。軽井沢の道は運転しやすいし、車も普段乗っているのと同じ大きさの軽自動車だし、たじんこさんが飲んじゃってください。」
というありがたい申し出により、私は助手席専属に。
 さて、試飲の前に美術館。友人Mは、ステンドグラスがかなり気に入った様子。私はやはり、テキスタイルが気になります。二人で好き勝手な感想を交わしつつ、じっくり観て回ります。そして、試飲ができるショップへ移動。そういえば、メルシャン美術館は、小さな建物が敷地内に点在していますが、今回のように雨天のときは、専用の傘が全ての出入り口に置いてあり、建物から建物への移動は、その傘を使って、また入り口においてある傘立て(樽)に入れれば良いというシステムなのです。いちいち、自分の傘を持ち歩いて、また仕舞って、ということをしなくて良いので助かります。試飲はワインを選びました。辛口と甘口が選べるらしく、私は甘口で。白と赤を一口ずついただきました。白の方が飲みやすくて、気に入りました。でも買わない。一人でボトル一本なんて飲めないもん。
 そして、このショップの入り口が集合場所になっており、ウイスキーの蒸留所を見学できます。勝手に入り込むことは出来ません。案内役の方にくっついて、説明を受けながら、しみじみ見学するのです。へー・ほー、と感心しながら、最後にウイスキーが貯蔵されているところを抜けて、見学は終わり。樽に入れられたウイスキーは、長い間に量が減るそうで、それを『天使の分け前』と呼ぶのだとか。可愛い表現だよね。美味しいウイスキーを一口飲んで、頬を染める天使が目に浮かぶようです。ぽわわわわん。
 雨が降る中、空っぽの樽がたくさん外に置かれていて、桜も咲いていたから記念撮影。そして、カフェでおいしい紅茶とケーキで一休み。はー、温まる。そして、お土産に、モリスのポーチを買い求めて、再び雨の中を出発!
 お次は、高原教会。前回、わざわざ自転車を漕いで行ったのに、通り過ぎてしまって、結局どこが高原教会だったのか分からず仕舞いだったので、リベンジ。結論から言うと、
「もしかして、このホテルがそうなのか?」
という感じで玉砕。おおかたの場所は分かりましたが(だって、車でナビがそう言った)、雨が降る寒い中、いちいち降りて確認できないもん。結婚式場だから、普段着でウロウロするのも場違いな感じ。天気が良ければ、散歩コースに良さそうですけどね。
 さーて、次はどこに行こう?まだ行った事ないところが良いよね。高原教会からも程近い、セゾン現代美術館はどうかしら?ってことで、またもやナビをピッピッ。はー、ナビって便利ね!で、セゾン現代美術館に着いたものの、駐車場がよく分からない。この空き地みたいなところに駐車していいのかしら?でも、普通だったらPマークとか書いてない?入り口も狭いし、美術館の建物がすぐに見えないし、もしかしてここ、裏口じゃないの?あたしたちって、ほら、旅行してると、なぜか裏口に辿り着くことが多いじゃないの。きっと今回も裏口なのよ、表に回りましょうよ。そして車を走らせたけれど、やっぱり表口がよく分からない。仕方ない、さっきの空き地に駐車して、さっさと美術館に入りましょう。ここも、天気が良ければ、庭をぐるりと散策したい雰囲気。なぜか、私たちがチケットを買うとき、他のお客さんの姿も見えない。メルシャンでは、そこそこ人が居たんだけどな。マン・レイという人の作品が展示されていました。美術とか芸術自体、分かっているとはいえないけれど、現代美術ってわけわからん。何が言いたくてこの作品なの?誰か解説してー!そして、やたらと警備員さんがウロウロしていました。掲示によると、心無い人によって展示作品を傷つけられたことがあるようです。一通り作品を見終わって、そろそろレンタカーを返しに行きましょうかということに。
 軽井沢駅からしなの鉄道で一駅、中軽井沢駅まで。雨がちょうど止んだところで、ペンションまでテクテク歩きます。ちょうど駅の裏側にまわる感じ。ここに宿泊するのは2回目。ご主人が非常に感じの良い方なのと、お料理が美味しいのと、お手ごろな値段なのと、ゴールデンレトリーバーの看板犬がいるのでお気に入りになったのです。でも、看板犬のコロちゃんは、別に建物の中にいるわけではなく、こっそり裏に行くと居ます。リピーターにも係わらず、道を間違えて通りすがりの方に教えてもらいました。あのときのおじ様、ありがとうございました。寒い中、荷物を持って歩くのはちょっと辛かった。私たちって、必ず旅で少し道に迷うよね、と話しているうちに到着。部屋は、前回と同じ部屋でした。そして、部屋の窓を開けると、コロちゃんが見えるんだよねー。夕食は6時半から。友人Mと一杯ずつお酒を頼んでカンパーイ。今回は、私たちの旅では珍しいことに、Mのコイバナで盛り上がりました。友人Mは、昨年秋から彼氏が出来たのです!が、実はその兆しが、去年、二人で恵比寿に行ったあたりから始まっていたという告白があり、
「そうか、私が恵比寿で酔っ払っていたとき、Mは心にそんな秘密を秘めていたのね。」
って驚きでした。そういえば、数年前に二人で山形県は米沢に行ったとき、私はお見合いを控えていたっけ。しかし、相手がどんなだったか覚えていない。いや待てよ、会うまでに至らずに断ったんだっけかな。お見合いで人柄が気に入ったのは、最後の人だけだったけど、結局私がぶち切れたんだったっけ。実は今、はまってレンタルしているCSIというアメリカのドラマに出演しているグリッソム役の俳優さん、そのお見合い相手に似ている気がするんだけど、もう細かい顔は忘れてしまったなぁ。声も、すごくいい声だった記憶はあるけど、でもオボロゲ。自分の決断が間違っていたとは思っていないけれど、同じ断るにしても、もう少しやり方があったということだけが大きな後悔となって、だからいつまでも完全に忘れ去ることが出来ないのだろうなー・・・と。そんな私はともかく、友人Mが幸せな結末を迎えてくれるといいなぁ、と思っています。まだ未知数が多い感じを受けるけど、でも着実に外堀が埋まってきているわよね、Mさん、おほほほ。
 さて、楽しい二日目に備えて、ぐっすり寝ることにいたしましょう。おやすみなさい、zzz。