花梨

tajinko2008-07-14


 雷がゴロゴロっと鳴り出すと、パソコンを始めとする電化製品のプラグを抜けるだけ抜いて、電灯も消してしまいます。母は雷が大嫌いで、少しでもゴロっと聞こえたら、すかさずプラグを抜き始めます。
 まったり・じっとりな日曜の午後、雨が降ったら涼しいかなー?なんて、掃き出しの窓を網戸にして陣取って、少しでも風を浴びようと姑息なことをしていると、これまたヒマな花梨が横にやってきて、結局マッサージ大会になるわけです。背中を掻いてもらって気持ちよくなってくると、トローンとした顔でゴロリと横になり、
「次はお腹撫でてー。」
となるわけですが、乳腺のあたりは腫瘍があるので刺激しないようにして、胸の辺りを撫でてお茶を濁すわけです。花梨の乳腺腫瘍は、数は増えたし大きさも発見時よりは大きくなったと思われるものの、急激に変化しているものでもなく、花梨自身も今のところ元気なので小康状態と言って良いでしょう。
 不吉なことを書くようですが、しかし花梨ももはや高齢犬、あと10年こうしてマッタリとしていられるかと言うと、やはりそれは難しく、獣医さんにも
「20歳まで生きる犬って滅多にいないなぁ・・・。」
と言われたので、やはり残りの時間は少ないのかもしれません。今、花梨が元気だからと言って、いつまでも元気だという保障など、何も無いのです。が、考えてみたら、花梨のおかげで精神的に随分救われたというか、助けられたなぁ・・・、母が入院したときも正直言って打ちのめされたけど、花梨がいると思うだけで、毎日乗り切れたところもあるよなぁ・・・、花梨が去年の夏に危篤と言っても良い状態になったのが持ちこたえてくれて、あのときほど身に沁みて花梨の大切さが分かったことはない、と考えているわけです。
 ま、花梨本人は何も考えず、せいぜい
「今日の散歩は楽しかった。でも、エサはイマイチだ。」
くらいのことしか考えて無さそうですが、せめて花梨が望むときは、なるべく一緒にいてマッサージでも何でもしてやらねば、と思うのであります。