懲りない面々

 で、開発部と言ったら殿ことM氏。今朝、ちょうど用があって殿のところへ行こうとしたら、通路でバッタリ行き会ったので、
「殿!昨日の図面、取引先から校正の依頼が来たから、よろしくー。」
しかし、私の姿を見た途端、壁に同化したフリをする大人気ない殿。
「あれっ、殿がいなくなっちゃった・・・って言うと思ったら大間違いだ!ところでさ、こういう会話を殿としていたら、受付のSさんに『幼稚だなー。』って言われたよ。」
「そうか!それは困るな。じゃあ、何を話そうか。」
「そうねぇ、ちょうど今ニュースで騒がれてる、元次官の連続襲撃について・・・。」
 しかし、結局そんな話題では会話が続かない二人なのであった。
 またあるときは、
「おい、K社の電話番号を教えてくれ。」
「後で良いって言ったじゃん。」
「いや、ちょっと急ぎになった。早く教えろ。」
「はい、これ、短縮番号。担当は、Hさんて人ね。」
「男?女?」
「男性だよ。営業の人。」
「俺、男じゃイヤダ。」
「何言ってんの。会社にかけたら、最初は女性が出るよ、たぶん。」
「なぁ、その人は美人か?」
「ええっ、そんなこと言われても、会ったことあったかな・・・?」
「待て待て、その前に、美人の基準だけどな。お前が可哀想なレベルだとして・・・。」
「何だと!!可哀想って何だ!」
 初めて聞いたぞ、可哀想なレベルって。どういう基準だよ、ブツブツブツ。
 こんなわけで、あんまり仕事が進みません。どうしよううううう。