自宅待機

 今日は自宅待機の日。
 『一絃の琴』を読み終えました。蘭子さんには、最後まで感情移入ができませんでした。教える側にどんな思惑があるにしろ、お稽古事というのはお稽古をつけてもらう側の心持で決まるものだと思います。茶道を習っていたときの自分になぞらえて、なるほどなぁ・・・と思う部分がたくさんありました。蘭子さんを跡目につけたくない一心で、50歳を過ぎたところで養子を迎える苗さんは、アッパレであるし、何もそこまで、と思うものであるし。しかし、どうしても自分と根本的なところで合わない蘭子さんを跡目にするということは、子供がいない夫婦にとっては養子になってもらうということを意味しており、なおさらそんな話を受け入れるわけにはいかなかったのでしょうね。
 さて、宮尾先生の作品はあと2冊用意してあるわけなんですが、しかし宮尾先生の本に出てくるヒロインはとてもよく出来た人間である一方、こちらが至らない人間なために物語を通して怒られているかのように思われてくる部分もあり、続けて読むには気力が必要なため、ちょっと違う味わいの本を読もうと思います。