さようなら常務

 今まで、私の勤務先では、定年を迎えた役職者や社員も、かなりの率で嘱託とか顧問という肩書きで残って、従来の業務を続けていたんです。けど、厳しい経済環境下で、ついに赤字決算の我が社は、そういう方々について、契約(1年毎)期間が切れたら更改しないということで徐々に人を減らしていくことになったようです。
 定年になったN部長が会社に残らずそのまま退職したのに続いて、M常務(常務と呼んでいるけど、実際は顧問)も退職となりました。M常務は女性社員には優しいけれど、男性社員に対してはビシビシと厳しい人だったようです。一応女性のハシクレとして、私はM常務にビシビシと鍛えられたりはしなかったですが、しかし我が社では少数派の大卒の肩書きを持つ女子社員として、たまぁにピリリと心構えみたいなのを言われたりしました。
 噂によると、何かと風当たりの強い、私の所属部署をかばってくれていたのがM常務で、その人が居なくなると怖いことになるかもねぇ・・・。でも負けない。