花梨

　分かりづらいんですけども、花梨です。我が家の廊下を塞ぐようにしてねそべってます。日陰だし、ちょっと風が通るというか、なんというか、夏はこんな風に自由に好きな場所に寝ています。あまりに暑いときは、エアコン入れてやろうとするんですけど、今時のＯＬばりにエアコンが嫌いみたいで、涼しい部屋からワザワザ暑い場所へ行ってしまうのです。扇風機とかウチワで扇ぐのも、あまり続くとお気に召さないみたいで･･･。気難しいお譲さんなんです。
　で、茶の間から戻るとき、花梨が邪魔なんですけど、ちっとも避けないんです。堂々と寝てらっしゃる。
「こら、そんなところに居ると、踏まれちゃうぞー。」
って足で踏む真似までしてみせても、平然としております。
　本気で踏まれるわけない、って信じきっているのか、あるいは何も感じていないアホなのか。でも、そんな花梨がたまらなく可愛いです。
　最近は、なんか仕事に余裕がなくてバタバタしていて、家でもまず自分の用事を優先して片付けて･･･なんて感じ。花梨との触れ合いというと、朝の散歩のときと、食事のときのオネダリタイムだけ。そのせいか、なんか花梨の様子が変なときがあって、何か言いたそうな顔で人の顔を見上げていたり、やたら私の周りをウロウロしてみせたり。たぶん、
「たじんこ、私への愛が足りなくない？もっとかまってくれても、いいのよ？」
と言っている。そうすると、我に返って、自分の用事は放り出して、花梨にチョッカイを出す、そんな日々を送っています。そうだよね、花梨と一緒に過ごせる時間は有限だものね、マスターカード風に言えば、プライスレスだものね、もっと濃密な時間にしないといけないよね。（花梨の尻を撫でながら）