気味が悪い

 気味が、って書いて変換したら、黄身が最初に出た。別にどうってことないんだけど、まず食べ物系が出てくるところが私らしいかもしれない。
 って、そんなことは、どーでも良くて。
 今日、母から聞いたんですが、昼過ぎに玄関のチャイムがピンポーンと鳴ったんですが、
「はーい。どなたですか?」
と訊いても、答えが無いので、勧誘かなにかだろうと思って中々出なかったそうなんです。
 母も高齢ですし、昼間は一人ですし、腰や膝が痛くてすぐに動けないから、普段から他人には失礼になっても居留守使っとけ、と言ってあるのです。それに、どなたですか?と訊いたら、怪しい人じゃなければ、宅急便ですとか、郵便書留ですとか、何か返事があるだろうってことで。
 しかし、いつまでも立ち去らないみたいなので、母が少し玄関を開けて見たところ、次兄の中学時代の同級生の母親だったそう。しかし、すぐには思い出せないくらい。それに、次兄とその同級生が特に仲が良かったわけでもなく、卒業後ン十年、ほとんど会ってないくらい。なのに、何故突然現れたのか。
 理由は不明なんですが、その同級生の母親は、玄関先で(母が中に入れなかったからだけど)、
「お宅のお嬢さん、すごく頭が良かったんですってね。今はどちらにお勤め?」
と言い出したそうです。既にそこが間違っとる。そんな伝説になるほど頭良かったらねぇ、苦労はないけどねぇ。すんごいアンポンタンでしたよ?それに、次兄と私は7歳離れてる。次兄の同級生が私のことなんて、ほとんど知るわけが無い。誰と間違ってんだって話ですよ。
「ご長男もいらっしゃったわね、どちらにお勤め?」
「次男さんもお勤めでしょう?どこに行っているの?」
 自己紹介もソコソコに、なぜか私たち三兄弟の職業などを聞き出そうとするので、そうでなくても人との付き合いに慎重な母は頭にきたらしく、
「そんなこと答える必要はないでしょう。遊んで暮らせるほど裕福じゃないから、皆働いてますよっ。そんなに根堀葉堀聞いて、うちの子たちの身上調査でも頼まれたんですか?」
と答えて玄関を閉めてしまったそうなんです。
 それにしてもなぁ・・・。いきなり、ナンだったんだろう。まぁ、お宅のお嬢さんはアッパラパーなんですって?と言われるよりは良かったかもしれないけどさ。