読書中

化身 下 (集英社文庫)

化身 下 (集英社文庫)

 下巻の途中まで来ています。そういえば、この物語の後半って余り好きじゃないんだよなー。基本的に、主人公である秋葉というおっさんの目線で書かれているので、前半はあまり感じないのですが、秋葉の愛人っていうか恋人っていうかの存在である霧子にイライラしてくるのが、この下巻。
 前半は、おぼこい(死語?)霧子に、秋葉が色々と教えつつ、自分好みの女性に育て上げていくのですが、下巻になるとついに霧子はアンティークショップを開店することに。といっても、銀座の店を止めるように秋葉に言われて以来、自分で働くことはせずに(だって秋葉が働くなって言うし)、金銭的なことは全て秋葉にお願いしていたわけですから、
「私、アンティークのお店をやってみたいのです。」
なんて言ったって、自分で開店資金などを用意できるわけがない。結局、2千万以上の金を全て秋葉が出してやるわけです。その後も、店が赤字だとか、仕入れの金が足りないと言っては秋葉に泣きつく。ついに秋葉は蓄えを全て吐き出し、銀行からお金を借りるところまで・・・。
 この本を初めて読んだときは、高校生か大学生のときで、
「美人だとここまでしてもらえるのね、得ねぇ。」
って羨ましかったけど、年齢を重ねた今になって、
「この女、何考えとんねん。イチからジュウまで男に頼りっぱなしやんけ。」
と腹が立って、あんまり読書が進みません・・・。
 もっとも、霧子をそういうふうにしたのは秋葉のおっさんなので、秋葉にしてみたら本望なんでしょうけど。
 というか、小説に腹を立てても仕方ないんじゃないかしらねぇ。