花梨

 花梨が2度目の失神です。
 朝、5時ちょっと前に、花梨が咳き込んでいる声というか音で目が覚めました。咳をするというのは、心臓病の症状の一つなのです。咳がひどくなったら、いよいよ心臓の薬投与開始、と獣医さんから聞いていたので、花梨の咳には敏感な今日この頃。
 今までは、ケホッ、と1回か2回、それも極まれに、だった花梨の咳。先週から、散歩のとき、ちょっと咳が出るな・・・と思っていたのですが、今日のは特に長く咳き込んでまして。飛び起きて、花梨の様子を窺うと、花梨も苦しいみたいで、ケホケホ言いながら擦り寄ってきます。おお、よしよし、と宥めても、咳が止まるわけでもなく。そのうち、花梨が移動しはじめたので、外へ出たいのかなーと。咳で刺激されて、ウエエエとか言い出して、朝っぱらから嘔吐?と思って。しかし、花梨はケージの中へ入って、まだケホケホ言ってる。まずいな、獣医さんに連れて行くか・・・でも、連れて行っても、心臓が悪いって事は分かってるわけで、今はいつ投薬を開始するかタイミングを見ているところだから、先生に言って薬だけ私が取りに行ったら良いのかな・・・とグルグル考えていると、目の前でオスワリしていた花梨がパタン!と横倒しに倒れました。
 散歩中に倒れた最初のときと違って、今回は失神と言いつつもちゃんと意識はあるみたいで、目線はずっと私を見ている。花梨は、自分の心臓が悪いために、こうして倒れるなんてことが分からず、今日はなんだか苦しいって思っているうちに、変だから助けて、って私に訴えているうちに、こうして倒れてしまうんだよな・・・。しかし、私も直接どうにかしてあげられることなど何も無くて、ただ傍で名前を呼びつつ体を撫でてやるくらいしか、してやれない。とにかく、花梨を興奮させないように、落ち着くように、何回も名前を読んで何回も体をそーっと撫でてやって・・・。やがて花梨がむっくり起き上がったのでした。
 本当は、心臓病と診断されたら、まず安静に、食事も塩分控えめ(犬は元々塩分控えめですが、さらに控える)、そして投薬、というのが主な処置なのです。花梨は散歩が三度の飯よりも何よりも好きなので、散歩に行かないのもストレスになる。散歩さえ済ませれば、あとはそれほど暴れることもないので。
 今日も、発作のあとにすぐ散歩をせがむので、近所1周で誤魔化しておきました。私、ちょっと誤解していて、散歩は通常通り行ってもいいのかと思ってたんです。獣医さんの説明を、ちゃんと理解してなかったのかも。獣医さんは、
「散歩がそんなに好きなら、まぁ連れて行ってもいいけど・・・。」
というような言い方をしていたんです。今日、会社で休み時間に改めてネットで調べたら、安静というからには散歩は原則禁止に近い状態と考えて良さそうです。というわけで、本人にはかわいそうだけど、明日以降も散歩は今までの半分くらいの距離で済ませることになりそうです。
 散歩は、犬が若いときは健康管理とか運動不足解消などのため必要ですが、花梨のように高齢になって心臓に異常が出た場合は、もはや健康管理や運動不足などは考慮しなくて良く、とにかく心臓に負担をかけない生活が第一なのです。
 食事も、専用の療養食があるみたいですが、花梨はご飯に関しては気難しくて、ドッグフード類は決まったものしか受け付けません。あとで獣医さんに、食事のことも聞かなくちゃね。
 とにかく花梨に何かあると、その度に浮き足立つ私ですが、しかしここで負けるわけにはいきません。出来る限りのことはします。