けろけろ

 私、子供のときから、カエルが苦手でしてね・・・。触れません。なぜか分からないけど、触れません。
 で、昨夜、お風呂に入ろうと思ってですね、準備してたらですね。お風呂場の入り口あたりで、顔の横に何か気配を感じました。洗面所にゴキが出ることがあったので、ゴキの野郎かコンニャロー!と横を向くと、カエルでした。カエルが、壁というか柱をエッチラオッチラと登ってました。ごくろーさん・・・じゃなくて!どこから入ってきたんだカエル!ここはお前の住む場所じゃないだろカエル!しかも、垂直なところを上るなよカエル!嫌いって言ってる割に、名前を連呼。いやよイヤヨも好きのうち?いやいや、そんな暢気なこと言ってる場合じゃないから。
 まぁ、下水というか排水口っていうか、そこから入ってきたのかな。それとも、台所の入り口から入ってきたのかな。我が家は古いので、昔、お風呂は薪で沸かしていたそうで、その名残に、風呂場と台所の壁の一部が空いているんです。虫なら、そこから侵入可能。
 ま、それはともかく、カエルをどうやって外に出すか。これが、もうちょっとワイルドなたじんこだったら、カエルを手で掴んで玄関から外へポイッとするんでしょうけど。あるいは、モテモテなたじんこだったら、早速彼氏とか彼氏候補のうちの一人に電話して、
「今、うちのお風呂にカエルが居るのー。助けてー。」
って呼ぶんでしょうけど。どっちも出来ねぇ。だってワイルドでもなければモテモテでもない、普通のたじんこだものね。
 母ちゃんだって頼りにならない、こういうことでは。頑張るのよたじんこ、何か方法を考えなければ。と、カエルを見つめながら、汗をかきながら無い知恵を絞ろうとする私。それにしても、見事に垂直な面にくっついてるよなー、このカエル。この足に何か秘密が?それに、あの見事な上りっぷり。ロッククライミングが上手そうだね君ぃ・・・って、カエルに話しかけてる場合じゃない。
 玄関にあった、カラッポの花瓶。細長いのを持ってきて、さらにチラシを細長く折ったものを持ってきて、チラシでカエルの進路を塞ぐようにしつつ、カエルの下に花瓶を準備。チラシを避けようとしたカエルが、まんまと花瓶の中にポトリ。そして玄関の外で花瓶をさかさまにする私。びよよーん、とジャンプして逃げるカエルのシルエットが、暗い中でも見えたわ。
 こうして、無事にお風呂に入ることが出来ましたとさ。この話を今朝、母にしたところ、
「カエルが入ってくるなんて、どんなボロ家かと思われるから、人に言わないでよ!」
って言われました。なので、人に言わずに書いてみた。ヒャヒャヒャ。