想像してみた

 今日は、会社から帰ったときに、ちょうど計画停電中でした。家の中は基本的に真っ暗なんだけど、母が玄関に用意しておいてくれた懐中電灯で、まず自室へ移動。ささっと着替えて、茶の間へ。これまた母が用意してくれたオムスビをインスタントスープと共に食す。カップを洗ったり歯を磨いたりしているうちに、暖房は無いからすっかり体が冷え切ってしまう。電気がないとお風呂にも入れない。
 自室に戻って、犬が寝ているところに冷えた足をそおっと押し付けて暖をとる。やりたいことは多々あるけれど、ほかにやれることが無いので布団に入って寝ようとしたら、電気がついた。ピカ!
 まだまだ甘いんだと思う。津波で濡れた体はどうしようもなく冷えているだろうけれど、それを暖める術が無い。食べ物もなく、着替えもない。家族ともはぐれてしまって、安否が分からない。知り合いに連絡を取りたくても、携帯が無いかも。携帯があっても、あっという間に電池が切れてしまって、しかも充電はできない。誰かに助けてもらいたくても、自分の周囲も皆、被災した人たちで途方にくれている。
 だめだ、私には想像の限界がありすぎる。たった2時間か3時間の停電では、被災した人たちの気持ちが分かるはずもない。日本は先進国だ。なのに、自然の力の前ではこんなに無力だ。そして私は、誰のことも助けられないでいる。
 今回の震災は、最初の地震の被害もさることながら、その後の津波による被災が想像を絶する規模だった。今も、福島の原発では予断を許さない状況が続く。
 今自分にできることは、募金などはしつつも、軽はずみな行動はせず、状況をなるべく正しく把握しながら見守っていること。そのくらいしか、できないんだなって思う。そして、自分は被災してないんだから、結局被災した方々の気持ちなんて、これっぽっちも理解してあげられないんだ、と肝に銘じる。