花梨

 花梨は、少しずつ弱ってきています。自力で立ち上がるのも難しい状況です。ただ、立ち上がろうとするのは水を飲みたいときとトイレのときで、その他の時間はひたすらグッタリと寝ています。
 肝臓があまりに肥大して胃腸を圧迫しているので、もはや固形物は受け付けないみたいです。食欲は一切ないし、この状況で無理に食べさせても、吐くか下痢するかなので、犬猫用の牛乳を口の中に垂らしてやる程度のことしか、やってません。
 夜はだいたい、2時間おきに起きてトイレタイムです。花梨の寝床の横に小さい布団を敷いて寝ています。横で寝ていると花梨がゴソゴソと動くと分かるので、起きて世話をして、また寝るという繰り返し。
 会社に行っている間や、たとえば今日はスーパーに買出しに行ったり家の中の用事を片付けたりという時間は、動物病院で預かってもらっています。それだけでも、かなり精神的には楽です。人によっては、弱っていく姿を見ているのが忍びないということで入院させっぱなしにするらしいですが、私はまだそこまでは・・・。自分の限界が来るまでは、花梨の世話をしたいと思っています。
 そうはいってもやっぱりしんどいもんですね。頑張ったら快方に向かうというのであれば甲斐もありますが、今は花梨があまり苦しまないように最期を迎えられるように、というための介護なので、花梨を近いうちに失ってしまうという事実に、時々涙が止まりません。
 でも、私は花梨を飼ったことは後悔していません。花梨を飼い始めてから15年、毎日どんなに支えられたことか。こんなに長く一緒に居てくれたなんて、それだけでも感謝しなくては。
 寂しい一方で、やっぱり花梨と一緒に居るのは嬉しいんですよね、私。もうぐったりしてるのだけど、会社の帰りに動物病院によって花梨の顔を見ると、なんとも言えず嬉しいのです。それは、今日も生きていてくれたということが嬉しいし、ただ花梨が居てくれるという存在が嬉しい。
 周りの人は無理しないようにと言ってくれますが、そしてそれはとてもありがたいことではありますが、しかし今は無理をするときだと思っています。私も自分がぶっ倒れたらどうしようもないことは分かっているけれど、まだ限界じゃない。というわけで、微妙に寝不足の日が続きます。