母の気持ち

 花梨が逝ってしまったあと、私よりずっとメソメソ落ち込んでいるのが母なのです。まぁねぇ、24時間ずっと一緒だったからねぇ・・・。
 今日は
「花梨、生き返ってきたらいいのに。」
と言い出すので、さすがに骨になっちゃってるのに無理だってばよ、と思いまして
「まぁそう言うなよ。いつまでも泣いてたら花梨が成仏できないじゃん。ちゃんと成仏したら花梨だって生まれ変わってくるからさ。縁があったらまた家に来るよ。」
と言ったのです。きっと母は
『何言ってんの。あたしはもうトシなんだから次の犬なんて飼えないよ!』
と答えるかと思ったら
「ええー?生まれ変わってくるかねぇ。」
とその気になっており、しまいには
「前の飼い主さんのうち、また生まれないのかね。」
とか言い出してるし!花梨の親犬を飼っていた家のことです。
「今、あのうちでは親子でメスばっかり2匹飼ってるだけだし・・・。」
「なんだ、メスだけなの。」
「そもそも、ビーグルってすごい元気な犬種じゃないの。私はともかく、今のお母さんには無理だよ、相手するの。花梨だって子犬のときから若いうちは大変だったでしょ。」
「えー?そうだったっけ?」
 どうやらもう、母の記憶では花梨は名犬ラッシー並の素晴らしい犬になっているらしい。ダミアンだったのに。
「でも、あたしはやっぱりビーグルがいい!」
と断言してました。花梨、次もビーグルに生まれ変わってこないとダメみたいよー?どうするー?