ムニエル

 ムニエルって、魚の切り身に塩コショウして、薄力粉まぶして、余分な粉は落として、あとはバターをフライパンに入れて溶かしてジューって焼けばいいんでしょ?小学生のときの調理実習で作って、鮭のムニエルは何かにつけて作ってきました。父が入院中、母が忙しくて夕飯作れないときに、何か店屋物取りなさい、ってお金渡されても、残りはお小遣いでいいよと言われると、ケチなもんだから、ヘタクソな料理で誤魔化して自分の取り分を多くしようという作戦です。今考えると、次兄はそのトバッチリを受けてたわけだな。そうすると、レパートリーが無いから、まずは鮭のムニエル。切り身を使えば(っていうか、鮭を丸ごとムニエルは無茶だろう)、手間いらずだしねぇ。バター味が好きだしねぇ。簡単だけど、ムニエルって響きが、子供ながらにご馳走に思えたりしたわねぇ。
 で、先日、肉よりは魚が好きかなぁ、という話を会社でしておりまして、料理上手な男性社員Yさんを相手に、旬の魚は何?そうだなぁ、これからはヒラメが美味しくなるんじゃないかな、なんて教えてもらっていて、
「ヒラメかぁ…、高級なイメージで、あんまり食べたこと無いけど、じゃあムニエル食べたいな。」
と言ったら、横で聞いていた某女子社員が、真顔で
「ムニエルって何ですか。」
って聞かれました。あれ?知らないのか…。塩コショウして白い粉まぶして(白い粉って、なんかヤバイ言い方じゃないか。これだから普段料理しないやつは!)バターでジューって焼けばムニエルさ!って答えたものの。そして、すごい大雑把な答えに、料理上手なYさんが苦笑しておりましたが。ムニエルって、私より若い世代は、調理実習で習わないのか。でも、簡単で便利な調理法よ?比較的、どんな魚にも向いていると思うの。ヒラメに鮭に、タラもね。